Last love song *一角






その女は、再び俺の前に現れた



「やほ、一角」



俺の知らない その女は

昔のダチの面影を残していた



「やだ、私のこと覚えてないの?」



大仰に驚いて口にされた名を聞いて

ようやくその女が 俺のかつてのダチだと知る


昔は

もっとガサツで

もっと男っぽくて

まったく女とは思えない奴だったのに、


とても



「ちょっと、なに黙ってんのよ。ハゲ」


「ハゲじゃねぇよ」



やはり口の悪さは変わっていないが



「綺麗になった」



そいつは、


俺の知らない“女”になっていた



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