「人を殺さない殺人鬼って殺人鬼なの?」
「殺人鬼とは言い難いね。だがしかし、殺人鬼とはその者の本性であり性質であり本質だ。それを変えることは出来ない」
「つまり双識は死ぬまで誰かを殺さなくても殺人鬼ってこと?」
「その通り……いきなりどうしたんだい?」

読書をしていた双識の隣でなにやらぶつぶつと呟きながら時折「うー」とか「あー」やら呻いている彼女。双識がちょっと不安になるのも頷ける。

「ねぇ、双識。ものは相談なんだけどね?」
「うん?」
「私を家賊にする気ない?」
「うふふ、前から妹にならないかい?って言ってるけど」

その瞬間、彼女は真剣な表情で双識の読んでいた本(漫画だった)を取り上げ、テーブルの上に置いた。そうして双識がきちんと自分に向き合った所で、深呼吸を一回。

そして出て来た言葉が。

「妹じゃなくてお嫁さんにして」

間。

「うん?今なんと言ったんだい?」
「妹じゃなくて、お嫁さんにして」
「誰が、誰の?」
「私が、双識の」



男に心の準備は必要なし!


(うふふふふ、そう来たか)
(私のこと、嫌い?)
(いや、寧ろ大歓迎だよ!)
(良かった、実はこども出来ちゃってさ)
(誰の!?)
(双識のに決まってんじゃん)

(兄貴は妹にしたい人間に手を出したのか……)
(サイテーですねお兄ちゃん)

(…エイプリルフールって言った方が良いかな)



お礼は2種!一言あればどうぞ。HNあると嬉しいです:)

あと1000文字。