パチパチありがとうございます!!

以降、後先何も考えずにWeb拍手連載してみよう無謀企画、

『あちらとこちら、彼らと私』

始まります。

(現在、お話壱のsideAとsideBの二本)










日曜日。
ボランティアに訪れた地域の交流センターで。



「ねぇちゃーん、携帯鳴っとるよー。」

「うん、無視しようか☆」



えーなんでぇーという子ども達を絵本読んであげるから、と物で釣って黙らせて。
ブルブルと震える携帯を潰したろかと思ってしまう思考を絵本の中に投下した。

潰そう思てどんだけ力入れても手ぇが痛いだけやし。ほんま何でできてんねんあの携帯。100人乗ってもだいじょー・・・ぶなんはどっかの会社の倉庫か。
昔、象が乗っても潰れへんことが売りな筆箱を姉ちゃんに乗られて潰されたなぁとかは遠い思い出や。
とにかくあの筆箱よりは堅いことには間違い無い。なんや、超合金的な・・・?
あれ、漫画かいってゆう。
形もけったいな形しとるから、子ども等になんやのこれーオモチャ?ってゆうて遊ばれそうになるし。(そんな得体の知れへんもんで遊ばんとってぇええ!!!!)

あぁもう、何度ほかそう思たことか・・・。
いや、何度もほかしたんやけどね。ははん。





第二話 sideA




プルルルル、プルルルル


「・・・・・・・。」


プルルルルッ

ガシッ

ピ、


「・・・オハヨウゴザイマス。」

「おはよ。あれ、もしかして寝てた?」

「今何時やと思てるんですか。」

「うん?あぁ、もうすぐ4時かな。」



朝のな・・・!
ふざけんなや、お前。とは言わんかったんは相手が曲がりなりにも年上やからやろう。

夏休みのある日。
公園のベンチの下に忘れ去られとった携帯の導きによって出会わされたこの男にうちはメリーさんと名付けた。
なんや、しゃるなんとか?ゆう訳解らん名前名乗っとった気がせんでもないけどメリーさん。

なんで?

英名なんて覚えられへんから。
おまけにこのけったいな携帯。何度ほかしてもほかしても、いつの間にかうちの持ち物に紛れとるってゆう。
あったよなぁそんな西洋人形。私、メリーさん。今貴方の後ろに居るのぉおおお!!!!
 完 璧 ホ ラ ー や・・・。

まぁそんなわけで、メリーさんの携帯はどうやらうちから離れたないらしい。なんて迷惑な。まさか呪いの携帯だったとは予想外やで、ホンマ。

この迷惑な所がまた持ち主に似たところやったらしく、メリーさんは常識が通用せぇへん超非常識人間やった。
似やんでえぇとこが似てるなんて世の中って世知辛い。あほう。

なんやの。普通、AM4時に電話する?
あ ほ ち ゃ う か 。



「いや、今仕事終わってさ。やっぱダメだったよー。」

「そうですか。お疲れ様です。」



だからってうちに電話かけるんはどうかと思います。
とさり気なく注意できない人は社会人として生き残れないと思う。
つまりうちのことですね、すんません。

というかメリーさん、深夜4時に終わるお仕事って怪しい香りしかしやんのやけ
ど・・・なんて問いかけちゃうといらんことに足突っ込む気がしてならんので敢えて聞かないのは暗黙の了解てことで。
自分の命は惜しいです。

この「ダメだったよー」は仕事がダメやったんやなくて、うちが今持っとる携帯に関してのこと。
なんや知らんのやけど、メリーさんはこの携帯を取りに来れへんらしい。
理由は知らんのやけども。
前なんでか聞いたら「聞きたいの?」とか恐ろしい返答が帰ってきてから、その件には触れないことをひっそりと誓った。

なにその「足突っ込みたいの?」てゆう問い掛け。恐怖。
きっとそう言っとった時のメリーさんはイイ笑顔やったに違いない。恐ろしい。



「何か方法があるはずなんだけどねぇ。団長のアレは期待できないしさ。」

「ノーコンすぎて?」

「うん、あそこまで対象が飛ぶ先を設定できない能力ってのも珍しいよね。もうちょっと練って作れよって感じ。」



団長もよく盗ってきたよね。

なんていうのは何ですか、キャッチボールの球をよく取ったよね的な?
偶にやなく、メリーさんとの会話は噛み合わへんようになるのはもう既にお約束や。
前に団長ってサーカスか何かの団体に入ってるんですか?て聞いたら大爆笑された。おいそれどこにツボった。


まぁ、そんなんでも。
電話したないなら着拒すればえぇんに、鳴っても出やんかったらえぇんに、直ぐ切ったらえぇんに。

こうやってなんやかんや下らんことを話しとるんは。
まぁ。

―――この奇跡にも近い邂逅をおもろい、なんて思うとるうちが居るゆうことで。




((なんて、君は知りもしないだろうけど))




活力注入

あと1000文字。