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□□+テイルズオブジアビスより+
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「ごちそーさん」
 カラン、と手にしたスプーンを皿に置くと、ふとみんながこちらを見ていたのに気付いた。
 それぞれがどこか面白がるかのような表情で、何も残っていない皿と彼を見る。
「……なんだよ。何かあんのか?」
「いえ、別に」
「そーそー。なぁ〜んにもないよ」
「ふぅん……」
 いぶかしげに首を傾げつつ、手にした食器をもって川原に向かう。
 旅の当初は自分から食器を洗う、などと考えたこともなかったな、と。
 そんなことを考えつつ歩いていく彼の後ろで、5人+1匹はこそこそと声をかわした。


「ね、言ったとーりでしょ?」
「ふむ。やはり子供と同じですね。見かけに騙されている」
「まぁ、アイツはどっちかっていうと食わず嫌いに近かったからなー」
「じゃあ、私の料理をよく残していたのはやっぱり……」
「材料が一目でわかるサイズだから、ですわね」
「みゅう〜。だから、今日のシチューは具がないんですの?」
「ないわけじゃないだろ、ミュウ」
「ええ。ルークの食べられないものだけ、細かくして煮込んだだけです」
「この調子で、ルークの食べず嫌いも直せればいいのですけれど」
「だな」


 みんなで何やってんだ? と戻ってきた彼をにこやかに誤魔化しつつ。
 こうして、「お坊ちゃまの食べず嫌いを直そうの会」はひっそりと活動していく。


 さてはて、彼がこの事実に気付くのは、はたしていつのこと?







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