亮日記107


 
今日は秋一さんからお洋服をいただきました。Tシャツです。巽さん、悠斗君、秋一さんとお揃いなのですって。だんな様以外全員とお揃い、と言うことになりますね…
 白地に真っ赤な蛸が二匹描かれ、「たこ中」の文字が印刷されています。 秋一さんと巽さんが臨時で開いたたこ焼き屋さんの制服なのですって。僕にもたこ焼きを持って帰って下さいました。秋一さんが焼く係なのだそうです。とっても美味しかったですよ。いつかたこ焼きパーティーをしましょうね。

 だんな様はご自分だけ仲間はずれにされて拗ねていらっしゃいましたが、Tシャツをご覧になると、だんな様と僕には似合わないのでお揃いじゃなくても良い、とおっしゃっていました。確かに、だんな様はTシャツを着ることなんてありません。襟がないとダメなのですって。だからカジュアルな物はポロシャツくらいしか着ません。こだわりがあって、とてもおしゃれですよね?

 巽さんは悠斗君に付きっきりで、この数日はお屋敷に帰ってきていません。悠斗君は自宅のお庭の離れに自分の部屋を持っていて、巽さんは仕事のついでにそこへお泊まりしているようです。悠斗君も忙しくてゆっくりお話ししたり一緒に過ごしたことは無いのですが、とても素直で可愛らしい子です。子どもの頃にいじめられて、学校へ行かなくなったのだそうです。でもお勉強は好きみたいで、コンピューターの知識は専門家以上なのだそうです。あんなに小さい子なのに、だんな様や巽さんと一緒にお仕事できるなんてとても羨ましい。

 僕ももっとだんな様のお仕事の手伝いをしたい、と言うと、だんな様は…今、だんな様に必要なのは僕の愛情なのだとおっしゃいました。それから、だんな様が困ってしまうくらい我が儘を言ったり、嫌なことは嫌だと言わなければならないと…一日ひとつ、我が儘を言いなさいと言われ考えるのですが…朝食は今まで通り僕が作りたいと言うと、朝はだんな様が目覚めるまでベッドを出てはいけないと言われました。
 だんな様の我が儘を聞くのが僕の仕事、そんな気がしてしまいました。
 でも、それも悪い気はしません。だんな様のお望み通りにすると、お側にいられる時間が長くなるのです。

 だんな様は帰宅されると僕にずっと触れていてくれます。手を繋いだり、肩を抱いて下さったり、ちょっと恥ずかしいのですがお姫様抱っこもしてくださいます。まだまだ緊張しますが、ドキドキはお肌の艶を良くするのですって。だんな様もキスして下さるときにほっぺたが艶々だと気持ちいいですよね?お肌のお手入れなんて考えたこともなかったけれど、だんな様が喜んで下さるなら少し考えないといけません。身体の血行も良くなって、傷だらけでいつも冷たい身体がぽかぽかしてきます。

 唇へのキスも、だんな様はとても優しくして下さるので好きになってきました。でもそれ以上は…これだけはだんな様に申し訳ないです。僕は慣れているので無理矢理でも構わないのですが、だんな様は僕が心の底からだんな様と一つになりたいと思うまで待って下さると…
 本来なら愛し合う者同士がする行為なんですって。でも僕にとっては苦しい行為でしかなかったから…いつか僕にもちゃんとセックスできる日が来るのかな?どうしたらそうなれるのかな?
 理解できるまで待ってもらう事が「我が儘を言う」、だんな様の手がいたずらを仕掛けてきたら「嫌」ということにしたらいいのかな?

 だんな様は僕を抱き締めながら、僕の胸の傷や背中の傷を触ろうとするんです。秋一さんのように綺麗でも何でもなく、それがとても悲しくて、だんな様に見られたくないのです。お屋敷に来たばかりの頃、だんな様は僕の傷だらけの身体を見たことあるくせに、綺麗だとかおっしゃいます。ちっとも綺麗じゃないのに…

 だんな様が帰ってこられたようです。遅いので怒られるかも知れませんが玄関までお迎えに行ってきます。
 だって、早く会いたいもの…




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