キスマーク(ヒルセナ)




聞いてくれるとはあまり思わなかった。
でも、セナとしては切実な問題だったので言ったのだ。
「服で隠れるところにしてください」と。
だって、ヒル魔がつけるのはホントに見えるか見えないかギリギリなところ、なのだ。
絶対、狙ってつけてる。
そうして羞恥にうろたえたり隠そうとやっきになるセナを見て楽しんでる。
セナだってイヤなわけではないが、体育だ部活だと着替えのたびに非常に困ってしまうから。
鈴音仕込みの小首をかしげるしぐさ付きで「お願いします」とやってみたら。
返ってきたのはそれはそれはイイ顔で。
(あ、これヤバイ)
一気に血の気が引いた。
できるなら前言撤回したかったが、言った言葉をなかったことにしてくれる人のはずもなく。
いつもより増えてしまったキスマーク。
全身に散らばるそれに呆然とするセナにヒル魔は言った。
「ユニフォーム着りゃ隠れるだろ?」
ヒル魔さん…。僕の普段着、ユニフォームじゃないですよ?






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