「跡部―、跡部〜」
昼休み、先生から跡部に伝言を頼まれて俺はさっきから探し回っていた。
教室、生徒会室、屋上、部室・・・
跡部が行きそうな所は大体探したけど何処にもおらへん
途中で岳人達を捕まえてたずねたが全員『知らない』と首を横に振った。
「んー、どこなんやろ跡部・・・」
他に跡部の行きそうな所は・・・

『静かで俺は好きなんだ』

フッと跡部の言葉が頭に浮かぶ
「そういえば・・・」
前に一度跡部が連れて行ってくれた場所。
俺は靴を履き替え外に出た。

外は快晴、ポカポカと気持ちが良かった。

俺は校舎沿いに歩き裏側へと回った
中等部校舎と高等部校舎の間にある芝生
そこで俺はやっと探し人を見つけた

「やっと見つけた・・・」
俺はその人影に近づいた
「跡部、跡部!」
声をかけても反応なし
不思議に思い、覗き込むと・・・
「・・・んっ」
跡部の規則正しい寝息が聞こえた

「寝とる・・・跡部」
軽く揺さぶるが、起きる気配はまったくなし
「もう・・・景ちゃん起きっ!」
パコッと頭を叩くと一瞬身じろいでゆっくりと跡部は目を開けた。
「んっ・・・侑…士?」
「景ちゃん、あんな・・・うわっ」
寝ぼけた跡部に突然腕を引っ張られた。
そしてそのまま俺は腕の中へ拘束された。
「ちょっ、景ちゃん!先生が探しとったよ、はよ行かな」
「・・・いい」
「よかないよ、はよ行かんと」
「行きたく・・ねぇ、もう少し寝る・・・」
「・・・景ちゃん?景ちゃん!」
俺の慌てる声も聞かずに跡部はまた眠りについた。
「あかん…寝てもうた」
俺を抱きしめたまま眠りについた跡部はこずいても頬を捻っても起きなかった。
「もう・・・怒られてもしらんで」
俺は諦めて抱きしめてくる跡部に身を任せているといつの間にか俺も夢の世界へ旅立っていた。

その後、二人とも先生に怒られたのは言うまでもない



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