「それじゃ、今日はわたしのお気に入りの場所に行ってみましょうか」 「この近くにいのとよく行く雑貨屋さんがあるのよ」 「へえ、図書館には良く来てたけど、雑貨屋なんてあったんだ…」 サイの驚いたような言葉にサクラは苦笑いして、 「図書館の二階からなら見えるところなのよ」 と言って歩き始めた。 「じゃあ、建物をみたら思い出すのかな」 とサイは呟くと、サクラの横に並んだ。 少し歩いていったところで、サクラが眼前に立つ建物を指差した。 「ほら、あの建物がそうよ。」 「ああ、あれがそうだったんだ。今まで意識してなかったから、気づかなかったよ」 サクラの言葉にサイは頷くと、その建物をしげしげと眺めた。 よく見ればそれらしい看板もちゃんとついているし、 店頭には女の子が好みそうな小間物がきれいに並べられている。 「ここで手鏡や櫛を買ってく子が多いわね。わたしが今使ってる手鏡もこのお店のものだし」 サクラは「ほら」といって、ポーチに入っていた手鏡を見せる。 「ああ、この間ナルトの頬にご飯粒がついてたときに、見せてた鏡だ」 「そそ。店頭に並んでる商品の左端のところに、よく似た手鏡がいっぱいおいてあるわよ」 「男が持ってても変じゃないものも売ってるかな?」 「ええ、もちろん。入ってみて何か探す?」 小首をかしげて見上げてくるサクラに、サイは「そうだね」と頷くと、 「そうだなぁ…筆入れなんかもあったりするのかい?」 「お店の奥の方にあったはずよ」 「それじゃ、いいのがないか探してみようかな」 問いに答えてくれたサクラにそう言うと、サイは少し考える仕草をして、 「選ぶの付き合ってもらってもいいかな。自分の好みだけで選ぶと偏っちゃうからね」 とサクラを横目で見た。 「もちろんよ。それが連れ立って買い物をするときの醍醐味ってもんでしょ」 サイにサクラは楽しそうに笑って頷いた。 (NARUTO/サイサク/里を歩こう!②)
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