ジャンカルロ×オリビエ






「ォリ・・・エ」
不意に呼ばれた気がして、しきりに動かしていた手を止めて窓際のソファに目をやる
なんだ、寝言か・・・?
そういえば、きてからというものかまってやれてなかったな
通りで静かだと思ったよ
クスリと笑いがもれる
起きていたらかまってコールが酷かったに違いない
がらにもなく、最近疲れがたまっていたのだろうか・・・?
アイディアが浮かんだものだから、消えないうちにメモしておかなきゃ
すぐ終わるとおもったのに、どんどんイメージは膨らんで気づけば日も傾いている
日が昇っていたときはぽかぽかとあたたかかったソファも、今ではすっかり日が当たらない
暑くなってきたとはいえ、何かかけてやったほうがいいだろう
内線でメイドにブランケットを頼むと、オリビエはゆっくりとジャンカルロのそばまで来ると、少し迷ってから、やはりゆっくりと振動でジャンカルロが起きないように隣に腰を下ろした
せっかく久しぶりに会えたというのに、申し訳ないことをしてしまったな
オリビエだって、この日を楽しみにしてなかったわけじゃない、もちろん楽しみにしていた
けれど
ジャンカルロがそばにいると安心する、リラックスするからこそ、自然といいアイディアが浮かんでくるのだ
そういえば、ここ最近こんな感じな気がする
ジャンカルロが近くにいるといいアイディアが浮かぶ
「君にとっちゃ、迷惑なことかもしれないけどね」
自分は万々歳だが、ジャンカルロにつまらないだろう
せっかくきたのに、その時間が仕事にとられてしまっては
ふうと息をついて目を閉じる
そしてオリビエは、疲れがたまっていたこともあってか、眠りに落ちていった

遠くで自分を呼んでいる声がして、うっすら目を開けた
あたりはすっかり暗くなっていて、いつの間にか寝てしまったことに気がついた
しかしそれ以上に驚いたのは
「オリビエ?」
何で?
「起きたの?」
ジャンカルロが上から覗き込むようにしてオリビエを見る
別にそれはいい
けど、この感覚は
あわてて状態を起こしてオリビエはジャンカルロをきっと睨み付けた
「…何を」
「いやだなあ、オリビエが身体を預けてくれたんじゃないか。僕が起きたらすでにこうなっていたよ」
ニヤニヤと笑って言うジャンカルロにカーっと顔の熱が上るのを感じた
何だって?
「びっくりしたんだよ〜。オリビエがこうやって甘ーい恋人みたいなことするのなんてあんまないじゃない?夢の続きを見てるのかと思った。可愛かったなあ…。今度僕にもやってよ、ひ・ざ・ま・く・ら!」
うそだとわめき散らすほど子供ではない
というより、恥ずかしさを隠すので精一杯だった
隠れているかどうかは別として
その恥ずかしさも、ジャンカルロの無神経な言葉によってジャンカルロへの怒りに変換された
彼は何も悪くないのだが…いや、こうやってはやし立てていることには原因があるか
「黙れ」
自分にかけてあったブランケットをギリギリと握り締めてどうにか耐えた
そしてある事実にはっとなる
あぁ、しまった。あの恥ずかしい格好を、メイドにも見られてしまったわけか
ますますジャンカルロに対する怒りがつのる
「でも」
怒りに任せて口を開こうとしたそのとき、ジャンカルロがさっきとは違う、柔らかな笑顔を見せ、オリビエに言った
「嬉しかったよ。オリビエはもともとあんまり人に甘えたがらないじゃない?最近は仕事も本格的にするようになったし、早く一人前になりたいっていう気持ちもあったんだろうけど、ますます甘えなくなったし、会いに来ても仕事ばっかやってるから、僕邪魔かと思ってたんだけど」
違う
「無防備に安心しきった様子で僕に身体あずけてくれたから、僕はオリビエにとって必要じゃないわけじゃないってわかったからさ。嬉しかったんだ」
必要ないわけがない
「どうしたの?僕、何か変なこと言った?」
オリビエが黙ったままでいると、不思議そうにジャンカルロがオリビエを見る
「全く、いつまでたっても考えが浅いというか甘いというか。わからないかなあ?」
オリビエはため息を大げさについてから言った
こんなこと、ちょっと考えればすぐにわかるだろうに
普通、自分が集中してアイディアをまとめたり考えたりといった仕事をするとき、周りに人なんか置きたくないはずだ
それでもいつも来たときに追い返したりせず、自分の部屋に通す理由なんて、ラルフだったらすぐわかるだろう
なのにこの馬鹿は
そんなに頭は悪くないはずなのに、何でわかんないかな
それに、安心してぐっすり眠った、ということでその事実は明白だろうに
「えー、教えてよー」
「猫なで声出したって駄目。自分で考えたまえ」
駄目だといっているのに答えを待つかのようにオリビエを見つめるジャンカルロ
その目がいたずらっぽく光っているのを見つけて、確信した
こいつ、わかってるな
絶対言ってやらないと誓う
まあ…でも、ずっとこんなのはジャンも可哀想だし、何よりも僕が嫌だから、今度仕事がひと段落ついたら外でデートでもしてやろう
そして、膝枕はそのときまでとっておこう
ジャンカルロは、人目を気にせず恥ずかしいことをやったりいったり出来るが、時々こちらが積極的になると、妙に恥ずかしがることがある
きっと、膝枕を許したときも、ジャンカルロは赤くなるに違いない
それを考えると、オリビエはクスリと笑った
それでも、ジャンカルロはぐっすり寝れるだろうとオリビエは思う
それはジャンカルロの能天気さもある、けど、一番は、好きな人のそばにいるとこんなにも安心していられるから
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只今拍手は千伊武(テニプリ)と、ジャンオリ(ベイブレード)の2作です

	



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