☆ご主人様! vol.21 ~花より男子・類つく~(下書き)4☆

~連載中のお話を少しづつこちらでUPしていきます。
ある程度お話がたまりましたら、ブログの方でまとめて掲載していきます。
なお、こちらの拍手お礼小話はランダムで表示されるため順番が前後することがありますのでご了承願います。~



「牧野は、何もしなくていいんだよ」

翌日、再び道明寺邸を訪れた類があたしにそう言った。

「だって・・・・」

「俺は、牧野に花沢の仕事をして欲しいなんて思ってない。むしろ、して欲しくない」

「して欲しくない・・・・?」

「牧野には・・・・何も知らないままでいて欲しいんだ。ただ、牧野らしくいてくれればいい。俺が帰る場所でいてくれたらいいんだ」

優しく微笑む類。

類の言いたいことは、なんとなくわかる。

仕事を家に持ち込みたくない。

仕事の話をしたくない。

仕事している時の顔を、あたしに見せたくない。

類はそう思ってるんだ・・・・・。

でも、あたしはそれでいいの?

類の家で、類の働いたお金でごはんを食べて、類の働いたお金で買った洋服を着て

類の・・・・・

花沢という家で、ただ類を待つだけの生活で・・・・・

たぶん、類はあたしに好きなことをさせてくれる。

誰と会うのも、どこへ遊びに行くのも

でも、そんなときもあたしは花沢のお金を使うのに・・・・・

それでいいの・・・・・?




「類、来てたのか」

「司」

道明寺が部屋に入って来るなりあたしをじろりと見た。

「でかけるぞ」

「あ・・・うん」

今日は、あたしも道明寺に同行することになっていた。

そのために、高級な仕立ての紺のスーツを着せられていた。

「・・・がんばって」

類はそれだけ言って部屋から出ていってしまった。

「・・・・行くぞ」

道明寺もそのことには何も触れず、部屋を出るようにあたしを促した。

「・・・・何もしなくていい。ッつーか、何もするなよ」

「わかってるよ」

何も言わないし、何もしないから同行させてほしい。

そう言ったのはあたしだった。

道明寺と付き合ってる頃ももちろん、道明寺の仕事してる姿を見たことなんてなかった。

見たいとも思わなかった。

でも・・・・・

今、あたしはそれを見なくちゃいけないと思ったのだ・・・・。





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