☆ご主人様! vol.22 ~花より男子・類つく~(下書き)2☆

~連載中のお話を少しづつこちらでUPしていきます。
ある程度お話がたまりましたら、ブログの方でまとめて掲載していきます。
なお、こちらの拍手お礼小話はランダムで表示されるため順番が前後することがありますのでご了承願います。~

全く話が頭に入って来なかった。

何がなんだか。

どうしてこうなった?

だってあたしは、花沢類の伴侶としてふさわしい人間になるべく、道明寺の仕事についていって彼らの仕事を、そしてそれを支える術を学ぼうとしていたのに。

プロジェクトの中心?

あたしが?

一体どうして・・・・・

「最初から、おまえが適任だと思ってたんだ」

夜遅く、道明寺邸につくと道明寺はあたしと類を自分の部屋へ通し、そう言ってベッドにどさっと腰を下ろした。

「もう、東京オリンピックが開催されることが決まった時から考えてた」

「え・・・・」

そんな前から?

「俺らのような、生まれた時から金を持ってるようなセレブじゃなく、おまえのような・・・・雑草のような奴にやらせたかったんだ」

「悪かったね雑草で」

「おう、おまえのそういうとこだ。今回のプロジェクトは、絶対にお前のそういうとこが必要なんだよ」

「まったく・・・・それならそうと、言ってくれれば・・・・」

花沢類が溜息をついた。

ソファーにゆったりと座った類は、あたしを手招きすると自分の横に座らせて肩を抱いた。

「悪いな。おまえは自分が手がけてる仕事が難航しててカリカリしてるみてーだったから」

にやりと笑う道明寺に、類は顔をしかめる。

「その仕事の前に―――」

「そんときは―――まだ、牧野とそんな話ができる自信がなかった」

珍しく表情を曇らせた道明寺に、あたしの胸がズキンと痛んだ。

「でも・・・・どうしても、牧野にやってもらいたかった。どうしたらやらせられるか考えてた時―――総二郎とあきらから連絡もらったんだよ」

「そういうことか・・・・」

「悪いな、騙すような真似して。牧野は素人だし、類のサポートなくしては出来ねえと思ってたし、そのためには今類が手掛けてる仕事もさっさと成功させて人に任せられるような状態にしなくちゃならねえ」

「ああ・・・・そうだな」

「だから、そっちの話は俺がまとめさせてもらった」

「え・・・ええ?そうなの?」

驚くあたしに、類が苦笑する。

「勝手なやつなんだよ、司は」

「うるせえ、上手くいっただろ」

「まあね・・・・感謝してるよ」

「ちょ・・・・ちょっと待って?その仕事って・・・・類と・・・・」

類のお父さんは言っていた。

相手は自分の娘と類との結婚を望んでいると。

でもそれは出来ない。

だから相手に納得してもらうために、立派な結婚式を挙げ類の花嫁として類の横に立つ。

でも形だけの結婚式なんてきっとボロが出る。

あたしは類の花嫁として、恥ずかしくないような人間になりたい。

そう思って・・・・・

「お前は、類と結婚するんだよ」

「え・・・・」

「司」

「その、取引相手に俺が言った。今度のプロジェクトを、絶対に成功させる。それが出来るのは牧野だけだ。そしてそれには類が必要だ。類の横には、必ず牧野が必要だと。それを、証明するってな。だから契約しろって言ってやった」

うわあ・・・・

出たよ、ザ・強引

でも・・・・・

そっと隣の類を見れば、そこには穏やかな類の顔が・・・・・

「・・・・ほんと、すごいよ司は。今回のことで思い知った。自分の未熟さも・・・・俺はまだ、司の足元にも及ばない」

「類・・・・・」

「俺は、目の前のことしか見えてなくて・・・・牧野の気持ちにも、気付いてなかった。司が間に入ってくれなかったら、大事な商談をぶち壊してしまうところだった」

そう言って、類は道明寺を見つめた。

「ありがとう。おかげで、目が覚めた。今回のプロジェクト・・・・死ぬ気でやるよ」

「死なれちゃ困るけどな」

2人の視線が交わる。

小さいころから一緒にいた2人の、あたしなんかが入り込めない空気がそこにはあって。

悔しいけど、あたしは道明寺に感謝するしかなかった・・・・・





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