☆善逸と禰豆子(鬼滅の刃)☆

「今日はいい天気だねえ、禰豆子ちゃん」

縁側に腰掛け、青い空を見上げながら隣の禰豆子ちゃんに話しかける。

禰豆子ちゃんはただ黙って空を見ている。

「ほら、あの雲、伊之助みたいじゃない?」

頷くことも、笑うこともない。

鬼である禰豆子ちゃんは俺の言葉を理解しているのか、聞いているのかすらわからない。

でもそれでもいい。

弱虫の俺が日々鬼と死闘を繰り広げるなんて言う信じたくない現実の中で。

禰豆子ちゃんの存在だけが俺の癒しなんだ。

だから・・・・・

「・・・そろそろ、雪が降るかなあ。寒くなってきたから、中に入ろうか」

と言っても禰豆子ちゃんは寒さなんか感じないんだけどさ。

禰豆子ちゃんは相変わらず空を見上げている。

俺は、自分の羽織を脱ぎ禰豆子ちゃんの肩にかけてやった。

と、今日初めて禰豆子ちゃんが俺の顔を見た。

「風邪、ひいちゃうからさ」

そのまっすぐな視線に心臓の鼓動が速くなり、俺は慌てて目をそらせた。

冷たい風が吹き付けて、一瞬体が震えた。

その時。

ひやっとした感触を手に感じて、俺は驚いて禰豆子ちゃんを見た。

禰豆子ちゃんの白くて綺麗な手が、俺の手に重ねられていた。

「禰豆子ちゃん・・・・?」

微かに、その目が笑ったような気がした・・・・・。






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