【イヴの夜に】 ※貞53 クリスマスイヴの夜、ミサトさんに酒とつまみがなくなったから買ってきてと頼まれ、僕は近所のコンビニへと向かった。 クリスマスだと浮かれいつも以上にハイペースでお酒を飲んでいるミサトさんの状態をこの寒空の下で思い返すと、お酒を飲まない僕の方が頭が痛くなってくる。 「まったく・・・子供にお酒買いに行かせるなよミサトさん・・・顔馴染みだからいつもこっそりお酒売ってくれるけれど」 いつも大変だね、と店員さんに同情されながら頼まれた物を買いコンビニを後にする。 このまま大人しく帰るのも何だか癪で、少し寄り道をしようと向かいにある公園へと入り歩いていると、クリスマスだというのに一人でポツンとベンチに座っている人物の姿が見えてきた。 (・・・・・・あれ?もしかして・・・) 夜だというのに外灯に照らされた銀の髪がキラキラと光っている様子が見えてきた瞬間、その人物が僕のよく知る人であると確信した。 「・・・・・・渚」 「あれっ、シンジ君!?こんな所で会うなんて奇遇だね!」 「何してるんだよ」 「何って、クリぼっちごっこだけど」 「・・・・・・はぁ?」 「クリスマスに一人で過ごす寂しいリリンをクリぼっちって言うんだって。僕も一人だったからどんな気持ちになるのかなーと思って」 「・・・・・・はぁ。それで、何かわかったの?」 「一人なんていつものことだからクリスマスだからって何も変わらないと思ってたけれど・・・」 「?」 ベンチに座ってた渚が立ち上がり僕の前に立つと、 「シンジ君が来た瞬間に何だかすごく嬉しいなって思ったんだ」 そう言いながら笑うので僕は思わず一瞬にして顔を真っ赤にしてしまった。 「あれ、もしかしてシンジ君照れてるの?」 「う、うっさい!そんなわけないだろっ!」 「嘘だ~だって顔すごい真っ赤だよ」 「こ、これは!寒いからだ!!」 僕は渚から思いっきり顔を反らす。 でも、渚の言葉がちょっとだけ・・・ほんのちょっとだけど嬉しいなんて思ってしまったから。 「・・・渚」 「ん?」 「・・・・・・今日は、もう無理だけど・・・あ、明日なら・・・一緒に過ごせるから・・・・・・」 僕の言葉に渚が満面の笑みで、 「あはっ、それって最高のクリスマスプレゼントだね!」 と言ってもう一度僕を赤面させるから、何で未成年はお酒飲めないんだろう・・・飲めたらお酒のせいにできるのにとコンビニの袋を恨めしそうに見つめた。 END ☆あとがき 貞っこのクリスマスです~! 拍手で貞を書くのもお久しぶりだわー(>_<) クリぼっちな渚が書きたかったんです(笑) 渚はリリンの文化に色々な疑問を持ちながらもどこかヌケていて、いつもシンジ君につっこまれてたら可愛いですねv 2013/12/31



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