ささやかですが、お礼です♪
「扇の余波」で、融がいなくなったあとの瑠璃と高彬の会話
瑠璃 「ちょっと、あの子、いったいなんだったのよ？急に、さっさと帰っちゃってさ」
高彬 「なにって、わからないけど……。なんか、やけに盛り上がってたね。報われない恋って、なんのことだろうか」
瑠璃 「由良姫のことなのかしらねえ。それにしても、なんで大事な用が突然、報われない恋の話になるのよ」
高彬 「よくわからないけど、融の中ではきっと、どっかでつながってるんだろうなあ」
瑠璃 「理解できないわー。あの子、たまに思いもつかないような突飛なことするのよねえ。困ったもんだわー」
高彬 「……それを瑠璃さんが言うの？わが身を振り返ってよく考えてごらんよ。人の振り見て我が振り直せ、というだろう。ほんと、姉弟でよく似てるよなあ」
瑠璃 「う……（やばい、ヤブヘビだったわ）」
高彬 「ところで、融はなにしに来たんだい。何か瑠璃さんに話でもあったの？」
瑠璃 「ええ、まあ。話、あったわねえ。すごーく興味深い話だったわ」
高彬 「いったい、なんだったのさ？」
瑠璃 「例の、扇を預った女房に、扇を返した時の様子を聞かれて、泣かれてすごく大変だったとかなんとか。誰かさんのこと、よっぽど好きだったのかもしれないわねえ。報われない恋、気の毒だわー」
高彬 「う……（しまった、返り討ちにあった）」