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お礼SS、ケロゼロ編です。
過去捏造が凄まじいので注意。

地球侵略に来るより、ずっと前の事。
我輩やギロロが、競って階級を上げていた頃。

我輩達とは別に訓練を受けていたあの幼馴染みが、精鋭部隊に配属される事になったと聞いた。

昔は虫も殺せなかった、あの、内気で泣き虫のゼロロが、アサシンに。
…暗殺者になると。

──優しすぎる彼は、一体どれほどの罪を背負うのだろう。


<遠退く君に言の葉を>


最初にアサシン仕様の軍服を纏ったあいつを見た時には、ショックを受けるより驚くより、何故だか何となく哀しくなった。

感情を押し殺した、どこか冷たい雰囲気。
心を断ち切ったような、無表情の瞳。
小訓練所にいた頃より随分長くなった蒼い髪が(後ろで一つに縛ってはいたが)、それを隠すように揺れていた。

泣き虫のあの表情も罪を知らない澄んだ瞳も、我輩から離れて行ってしまう。

その事が哀しいのか、あいつの心の軋みが哀しいのか、分からないけれど。

「頑張って強くなったんだよ、僕。
でも、任務が始まったら…ケロロくん達とも、なかなか会えなくなっちゃうかもね」
「…そうで、ありますな」
「……どこかで、一緒の作戦に就けたらいいね」

作り物の笑顔で、短く別れを告げる。

踵を返し、向けられた背中が淋しくて。

「……ゼロロっ!!」

細い腕を掴んで、夢中で声を張り上げた。

「我輩、お前が弱い奴だって、知ってるから!」

強く掴んだ手を振りほどこうともせず、表情のないまま、ゼロロの眼が真っ直ぐに我輩を射る。
他の者は恐れたというその視線を、しっかりと受け止めた。

「すぐ泣くのも、バカみたいに優しい奴だってのも知ってるから!
…だから、いつでも戻ってくるであります!!」

──水色の瞳から、涙がぽろぽろと落ちた。

その雫があんまり綺麗で、こっちまで眼の奥が熱くなった。

守ってやりたい。
救ってやりたい。


──遠退く君に、言の葉を。



─────

ドロロアサシン時代…捏造(やっぱり)
そしてこの後、地球侵略で一緒になります(笑)
何だかんだで、ケロロくんなくして今のドロロはないと思います。
ゼロケロっぽくても、あくまでケロゼロ。



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