ありがとうございました!!
偶々。
そう、すべては偶然だった。
僕の全てで以て貴方を求めているんです。
争いの中心からかなり離れたところでランスロットの信号が消えた。
なんとなく気が向いたから、というなんとも彼らしい理由でロイドは
自らそこへ出向くことにした。
信号が消えたのは森の中にぽかりと空いた小さな広場。
まさかこんなところに敵はいないだろう。
一応銃を持たされ、白衣のまま森を歩く。
木々の向こうに開けた空間とランスロットを見つけたロイドは
そこにいるであろうデヴァイサーに声を掛けた。
「スーザク君〜、迎えに・・・」
しかしそこにいたのは帰れなくなってひとり困っているデヴァイサ―ではなく。
右足を朱に染め険しい表情で銃を構える手負いのデヴァイサーと、
荒い息にも関わらず黒の仮面を外そうとしない銃を構えた手負いの敵だった。
黒いマントに染みた黒から、彼の怪我も相当酷いであろうことがわかる。
ロイドは思わぬ事態に瞠目するが、もちろん驚いたのは彼だけではない。
ロイドが現れたことによりスザクの意識が一瞬逸れた、そのとき。
ガウンガウン
ゼロが構えていた銃が鳴った。
彼は足元を狙って撃つとその隙に背後の森へと逃げ込む。
手負いの状態で敵が増えたのだ、懸命な判断だろう。
しかし逃げるその背中を見た瞬間、
どくんとロイドの鼓動が大きく鳴った。
何故かはわからない。
ただ、強い焦燥感に襲われて。
彼はその背を追って走り出した。
背後で小さく自分を呼ぶ声がした。
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焦燥感、喪失感。
ずっと無縁だったもの。
でも自分は同じものを知っている。
ずっと、ずっと前に味わったこれは。
ロイドはすぐに追いついたその背に向けて叫んだ。
「ルルーシュ殿下!!!」
そう、あのとき。
焦燥感も喪失感も。
8年前、この人においていかれたときと同じものだった。
きっと無意識下で僕の中の何かが貴方を感じたのでしょう。
この日をずっと待っていました。
追っていた背が止まり、こちらを振り返る。
そして黒き王はゆっくりとその仮面をとるのだ。
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いつものことながら、捏造過ぎてごめんなさい。
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