「三蔵」 「ん」 「コーヒー飲む?」 「あぁ」 「三蔵」 「ん」 「灰皿取り替えるね」 「あぁ」 「三蔵」 「ん」 「最近ハゲた?」 「………死にたいのかお前」 新聞をバサリと置いて、ベッドに腰かける彼女を睨む。 しかし彼女はといえば「何だ、ちゃんと聞いてたのね」とにっこり笑って三蔵の睨みなんて物ともしない。 「で?」 「ん?何?」 三蔵はため息をついて椅子から立ち上がり、ベッドの前まで来て彼女を見下ろした。 「何か言いたい事があるんだろ、言ってみろ」 「…流石三蔵法師様」 ただからかっただけではないと、ちゃんと分かってくれてる。 しかも珍しく穏やかな表情のまま、わざわざ目の前まで来てくれてるんだから、我が侭…言っていいよね? 「構って?三蔵」 「…上等だ」 ニヤリと口の端を上げると、三蔵はそのまま目の前での少女をゆるやかに押し倒す。 ベッドに沈む彼女の頬にキスを落とすと、彼女はそれは嬉しそうに微笑んだのだった。 (三蔵、大好きよ) (…あぁ) |
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