?片思い?





宿の一室にて…




トントン…

(ドアを叩く)




『お〜い、ヴェイグー!』




し〜ん…




『おっかしいなぁ?確かに部屋に戻った筈なんだけどなぁ…』

(ドアノブに手をかけてみる)



ガチャ




『んだよ?空いてるじゃねえかよ…』

(会いたドアの隙間から中の様子を伺ってみる)




『………。本当に居ねぇのか?…取り敢えず借りた物だけ置いて帰るとすっかぁ♪』

(部屋に足を踏み入れる)




『お邪魔しま〜す…?』

(机の上に目的の物を置き、立ち去ろうとする)




『んん……。』

(ティトレイの背後よりヴェイグの声)



『Σわぁっ!ち、違うんだって!俺は不法進入とかじゃなくてだなぁ、借りてた物を返しに来ただけで…あ〜でも鍵かかってなくて…悪かったなヴェイグ;』

(ビクッと驚き言い訳をしながら声の方を向く)




『っ…;何だよ寝てんじゃねぇかよ;』

(ソファーに横になりながら哲学書片手に居眠り中のヴェイグを発見)




『こんなもん読んでるから眠たくなるんだよ…;』

(哲学書を取り上げパラパラとめくってみる)




『何が楽しくてこんなもん読んでんだ…?;』

(ソファーの側の床に座る)




『……熟睡してんのか…?』

(ソファーに手を立て、ヴェイグを覗き込む)




『………。』

(無意識に顔を近付ける)




『Σはっ!俺…何やって…///』

(唇が今にも触れそうな距離からガバリと顔を離す)




『部屋に戻ろう……///』



ガバァっ!



『へ?うわぁああ!』

(ヴェイグに強く抱き寄せられる)




『ヴェ…イグ…?///』

(ヴェイグの胸に顔を付けられるように抱かれドキドキ)




『……ぁ…』

(ティトレイ抱きながら寝言ヴェイグ)




『ぇ?』

(よく聞こえなかったので抱き寄せられながらヴェイグを見る)




『クレア……』



ぶちっ…

(何かがキレる音)




ボカッ!!



『痛っ……ティト…レイ…?何かあったのか…?』

(殴り起こされた上に現状把握出来ずキョトンとする)




『知るかっ!馬鹿ヴェイグっ!』




バタンッ

(怒りに任せて強くドアを閉める)




『畜生ぉ……期待しちまったじゃねぇかよ…///』

(真っ赤になりながらズルズルとドアに凭れぺたんと宿の廊下に座り込むティトレイ)




『本当は起きてただなんて…言えるわけ……///』

(部屋のソファーに座りながらこちらも真っ赤になるヴェイグ)




二人の想いが重なる日は未だ遠い…?








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