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↓のSSは「凍結オレンジ。」ではなく、別物です

<お礼のSS ボーイズライフ>

期末試験を無事に終えて、
気温30度に達した昼間に徒歩で帰宅した実留は、汗だくだった。

シャツをまくりながらリビングへ入り、すかさずエアコンをつけようとして、
ふと人の気配に気付いた。

耳を澄ますと、どうやらベランダに人がいるようだ。

この暑いのに誰だ?と乱暴にカーテンを開けると、
義兄の桐人の背中が見えた。

「なんだ、帰ってたんだ…」

そういいながら窓を開け、
実留は桐人の腕の中にうごめく人を見つけてしまった。
その人から目を反らそうとしたが、
シャツをはだけて胸を露出し、体をひきつらせた動きに、逆に釘付けになってしまう。

桐人の背中にはその人の腕がまわり、どうやらしがみついている様子だ。
シャツの皺が淫靡であり、それを見ていた実留はさらに暑くなり、汗を浮かべた。

「桐さん、誰か見てる」
「ん?…あ、弟。義理のね」

「あ、きり…」
実留がばつが悪そうに声をかけると桐人は「お帰り」と微笑む。
「早かったね。期末試験だったっけ?」
「うん」
実留はどこを見ていいのかわからない。
素早くジッパーを上げた桐人が、誰かと何をしていたのかは見当がつくからだ。

棒立ちしている実留の横を、半裸の男が駆けて行く。
「あの人、誰?」
「大学のー…連れ」

『つれ?つれとそんな関係になるのか?』
そう不審な顔つきをしている実留に、
桐人は「あいつは帰るから、2人でランチを食べよう」と言う。

「食欲ない」
この暑さもそうだが、義兄のセックスの現場を見て、食欲をなくすのは当然だ。
しかし桐人はパスタをゆで、
「少しでいいから食べな」と勧める。

「…ごちそうするから親には黙ってろってこと?」
「勘がいいね。ダイスキだよ、実留」

ふふと鼻で笑う義兄を実留が見上げた。

「僕も大好きだけどさ。多分、桐人兄さんとは意味が違う」
「へえ?」
「ああ、それなのにこんな瞬間を目撃してしまうなんてついてない」
「んー?」

「あのさー・親には黙っているけど、僕としては納得がいかな…」
フォークを持ちながら熱弁を振るおうとした実留を桐人が手で制してたしなめた。

「俺も、実留が大好きだよ。これ以上言わせるな、暴走するから」

「…誰でもいいんだ?」
「よくない。だから連れに処理してもらっただけ」

桐人は口に入れたパスタを飲み込むと
「欲情が暴走しないように気をつけてるんだよ?」と実留の眼を見た。
そして「わかるようになるまで、俺は我慢できるかなー」と微笑んだ。



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