抜けるような青を透かした快晴の空を仰いで、深く深く息を吸い込んだ。
隣でうたた寝をしている長い黒髪に白い花びらが付いているのに気付いて手を伸ばすと、緩く結い上げられていた髪の毛が解けてさらさらとこぼれ落ちる。

(もう少し、目を覚まさないで)

息を潜めて見つめた横顔に彼女の長い睫毛が影を落とし、控え目な寝息とともに小さく肩が上下する。
それは多分ありふれた、幸せな光景で、それなのに少しでも音をたてたら途端に崩れてしまうほど脆そうで、ただ綺麗だと思った。


「すき、って」


言ったらどんな顔するかな。

届いていても、いなくても、ただ言葉がふわりとこぼれて落ちていた。

叶うならどうか、君と二人で幸せになれる答えが聞きたいと思った。







くす、



小さな笑い声。
大きく開いた瞳。



しまった、
と思った時点では、すでに遅かったようで。







「私も貴方がすき」






そういって君が笑ったのを聞き取れないまま、花びらごと君を抱きしめた。



END



(ずいぶん思い切った照れ隠しだなぁと、自分で自分に驚いた)






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cuppling≫ダイ嬢


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