台所で、2人で並んで料理をするのにも慣れた。

とはいっても、オスカーは洗い物担当で、いつもゼフェルが作ることになるのだけれど。

それでもオスカーが隣に居るのは、ゼフェルにとって、とても自然だ。

「ゼフェル、袖が落ちてきた。捲ってくれ」

使い終わったフライパンを洗いながら、オスカーがシャツの袖を視線で指す。

しょーがねーな、と呟きながら、ゼフェルは菜箸を置いてオスカーの袖に手をかけた。

肘上まで捲ってやると、額にキスが降って来る。

「てめ、何してんだよ」

「新婚みたいじゃないか?」

「バカじゃねーの」

軽くあしらって、鍋に向き直る。


たったあれだけの不意打ちのキスで、顔を赤くしたのには気付かれなかっただろうか。

これじゃまるで、本当に新婚みたいだ。


こんなことを考えたら、ますます顔が火照った。



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