+玉響+ ちょっと待ってよ何よ何よ何なのさこの空気っ! 「あの、ちょ、みつい?」 ああ、目の前にずどんといる馬鹿でかい三井ひさしは只今頭の中がフリーズしているのか固まっているようです。いやまあ原因は何を隠そうこのわたくしなのですが(えっへん) 「そんなに驚かなくてもいいじゃない」 ただいつもの馬鹿げたやりとりであんた先輩には敬語使いなさいよとか言ったらお前俺のこと好きなんだろとか言いやがるからああ好きさ何か文句あっかこのヤロウと言い返した、だけなのに。(いや、だけっていうか、告白しちゃったけどさ) 今までさりげなく三井に送っていた信号はどうやら受信されていなかったようでほんのちょっぴり悲しくなる(頭ぐりぐり撫でたり自販機のジュース奢ってやったり論文の過去問教えてやったりしたのは全部無駄だったらしい) 私があれやこれやと思い返していると三井が漸く現実に戻ってきたらしくぱちりと視線がかち合った。 「…年下がタイプ?」 いや、やっと話した言葉がそれ?待って、ねえそこなの? 何だか情けなくなって振られるんじゃないかとかもう大学で会っても気安く声かけらんないかもとか思ってしまった私は一体なに? 「あーもーいい、ばか、三井ばか」 「んだよ馬鹿っていうな、つーかどこ行くんだよ」 「うっさいなレポート提出してくんのよ」 なんかさ、告白ってもっとこう甘やかなもんじゃないの?いや、大学生にもなってピュアな初恋みたいのは望まないけどさ、ていうかそうだよ、元はといえば私がいきなり告白したんじゃん。バカ、三井の次に私バカ。 「なあ、おい」 「うるさいうるさい」 「…待ってくださいよせんぱい、俺の話は無視でございますか?」 な、なんだよこんなときに敬語なんか使いやがって(なんかちょっと語尾が変だけど)思わず足が止まっちゃったじゃないか。ここはもう腹くくって振られろということですか。 「なあ」 「なによ振るんならさっさとしなさいよ」 「あん?」 ちょっと眉間にシワ寄せないでよあんたのそれ何気に怖いんだからね。 内心びくびくしていたら何故だか三井に握られる手、え、なに、なにさこれは。 「いいこと教えてやんよ、センパイ」 「は?」 「俺って実は年上がタイプなんだよね、あんたみたいな。」 ぐっと背を屈めた瞬間耳元で囁かれた言葉に、手に持っていたレポートがばさりと落ちた。 (は?なに、ちょ、え?え?えええええ) (落ち着けば?センパイ) ++++ 大学二回生の三井とと三回生の主人公 |
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