◆応え◆






名前を呼ぶ声に振り向けば、柔らかな笑みを向けられる。

それに応えるような器用な真似は出来ず、もどかしさに唇を噛む。



近づく足音。視界に影が射したかと思うと、前髪に淡いオレンジが溶け合っていた。

途端に額が熱くなる。

離れようとするにはもう遅い。

軋む音が聞こえてきそうなほど力強い腕に抱き締められていた。

触れ合った場所から熱が広がっていくのを感じる。

それがたまらなく心地良くて、胸の辺りがキュッと締め付けられる思いだ。



「ユウ…会いたかったさ」



今にも泣き出してしまいそうな顔に、瞳を細め、緩んだ口許で「ばーか」と呟いた。



「てめェだけだと思うなよ?…大体、あんな雑魚任務に時間掛け過ぎなんだよ」

「ん…ごめん」



額に、頬に、小さなキスが落とされていく。

その先を知ってしまった今、物足りなさと、欲が出る。





もっと─────





「待たせた分のツケ払えよな…バカラビ」

「ハハッ、そんなんいくらでも、何倍にもして返すさ」



ゆっくりと近づく口唇が軽く触れては離れ、また触れる。



「ユウ…愛してるさ」



それを合図に口付けが深くなる事も覚えた。

そうしてやっと、ぎこちなく背中に回した腕で精一杯の応えを返した。













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