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お礼に、短いですがギアスSSを掲載させて頂きました。
良ければご覧下さいませ。



※CP:Cルル?
※「神と魔女と裏切り者」のカレンサイド。
※カレン厳し目。
※ちょっとだけ暴力表現あり。苦手な方はご注意をば。
※それらを踏まえてご覧下さい。



神と魔女と裏切り者-カレンside



  カレンは、気晴らしに街へと繰り出していた。

  最近は調子が悪いのか、扇の政策は尽く裏目に出ている。
  そのせいで、まだ学生の自分にすらも応援要請がかかってしまうのだから、またもや学生との二足わらじである。
  でも、扇が今まで自分達を導いてくれていたのだから、例え今は無理でも、その内成果が出ると信じ、頑張っていた。
  “ゼロ”には頼らない…アレはゼロの仮面を被っていても元は体力馬鹿のスザク、当てに出来ない。
  それに、他人に頼っては、独立した意味がなくなってしまうから…。


  街を散策し、緑の多い公園へと訪れた。
  自然の中で深呼吸すると、疲れが呼吸とともに身体から出て行くようで気持ちがいい。
  そして、視界の端に動く緑が写り、何気なく振り向いて固まった。


「あっ…」

「ん? …あぁ、貴様か」


そこには、全国指名手配されている筈のC.C.が、堂々と立っていた ―――――。





  しばらく問答するがC.C.の返答はけんもほろろで、その上馬鹿にするように鼻で笑われた。
  ムカッと来て、指名手配されているのだと告げ(ようとし)ても、やはり馬鹿にしたように相手にしてこない。
  しかも、自分を見る眼からは感情が見えず、馬鹿にするかのようにあらぬ方向まで向いている。

  カレンは、自分を無視するC.C.につい、感情的になって怒鳴っていた。


「ちょっと、C.C.! 聞いてるの!? 私は裏切ってなんかないわ! 裏切ったのは…ルルーシュの方じゃない!!」


  でも、自分は間違っていない。
  だって、悪いのはルルーシュなのだから。
  あの時だって、あんなこと言ったりせずに、ちゃんと説明すれば皆理解してくれた。
  説明もせずに、あんなことを言われたら誰だって勘違いするだろう。
  ルルーシュのことは、聞いていた、知っていた。
  私は、ルルーシュのことを信じていたのに。
  それなのに、私のことすら駒にしていたなんて……!

  それでも、人の言うことを聞く様子を見せないC.C.に、苛立ちが高まる。


「アンタねぇ、人の………ぐっっ!!???


  …気がつけば、カレンは背後にあった木に激突していた。
  一瞬、何が起きたのかわからなかった。
  でも、段々と痛み出す腹部に、そして、今しがた何かを蹴り飛ばしたと言わんばかりのC.C.の様子に、自分が蹴られたのだと気付いた。…気付かされた。
  文句を言おうとしても、痛みと衝撃から声が出ない。

  …まさか、鍛えあげていた自分に、生身でこれだけの威力の衝撃が加えられるなんて…!

  カレンは抗議の意味をこめてC.C.を睨みつけるが、C.C.の表情は髪に隠されて伺うことが出来ない。
  スッと姿勢を戻したC.C.は、地を這うような声音で呟いた。


「…貴様には、ほとほと呆れ果てたよ。愚かだとは思っていたが、まさかここまでだったとはな」


  その時、風でC.C.の髪が舞い上がり、その表情がようやくと見えた。

  そこには、まるで蛆虫でも見るように自分を見下している眼差し ―――。


「ひっ……!!」


  カレンが覚えていたのは、そこまでだった ―――――。




(そう言えば…あの女(カレン)を気絶させたのはどういうからくりだ?)

(からくりって…ただ単に、意識を圧迫しただけだ)

(…圧迫?)

(あぁ。それが一番手っ取り早い。身体に力を加えると、脳に障害が残るかも知れないしな)

(障害…)

(もしかしたら、カレンに何か精神的障害(トラウマ)が残るかも知れないが、まぁ、たいした事はないだろう)

(…お前、恐ろしいことをさらりと言うな)

(ん? これぐらい、紅蓮に乗っていたんだから大丈夫だろう?)

(……………いや、それはそれでまた違うんじゃないか……?)



(09/10/20)



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