260.完全犯罪(虎×沙我)



大好きな大好きな虎。
好きという気持ちに囚われたオレ。


大好きな大好きな沙我。
好きという気持ちに囚われたオレ。


どっちが有罪?

どっちが無罪?




完全犯罪




おはよう、という挨拶と共に。
爽やかな笑顔を振りまくでもなく、火のついた煙草を指に挟んだまま、彼はやってくる。

「おはよう、沙我」
「おはよう」

笑顔をかわすこともなくなった。
好きじゃなくなった、とかじゃない。
けれど、それをしなくても、通じているから。
必要以上に一緒にいなくなったのも
囚われた、と、気づいたときから。

「なぁ、」
「ん?」
「メシでも、いく?」

たまには、なんて呟いた虎。

「あ、そだね」

今日はちょっと多めに持ってるし。

夜の予定をとりつけて、それから、仕事へ戻る。
好きだと、もうどれくらい言ってないだろう、なんて考えて。

「今日くらいは、」

好きだと、言ってみよう。
言葉で、伝えてみようと思う。


きっと、オレの方が重罪だ。

虎が、堕ちてきたら。
オレが有罪だ。





おわり
200903
せいな



拍手ありがとうございました★

お題配布元?regenbogen?さま





一言頂けたらうれしいです(拍手だけでも送れます)

あと1000文字。