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お礼小話 


『ゴールのむこう』より

歩(あゆむ)視点の話
教室で健(たける)との何気ない会話





「な、これみろよ!」


なにやら興奮した健(たける)が一枚の写真を持っている。

写真に写っていたのは健と、俺の見覚えのない女。



こんな奴うちの学校にいたっけ?



「・・・誰?」

「はぁ〜?お前わからねぇのかよ?!緑高のマネージャーだろ!」


健は信じられない、と言いたげな顔をする。


「マネージャーなんて知るかよ。」

「普通はマネージャーはチェックするだろ?特に緑高は美人が多いことで有名だし!」

「つーかお前、このあいだの試合の時にわざわざ撮ったわけ?」

「おお。一緒に写真撮らねぇ?つったら、ちょっと照れながらいいよって言ってくれたんだ。
それがマジ可愛くてさぁ。」



その時を思い出しているのか、しまりのない顔をして言う。



もう一度、写真に視線を戻す。



まぁ、悪くない・・・というか、健の言うとおり可愛い顔立ちはしているが・・・。



「お?歩も結構タイプだったか?なら、お前も誘って写真撮ればよかったなぁ。そしたら、向こうも
もっと喜んで写真とってくれたかも。お前人気あるしさ〜。」


いつの間にか口元が緩んでいたらしく、健が珍しそうな顔で見ていた。


「ばーか。誘われたって、一緒に写真なんか撮らねぇよ。」


勘違いしたらしい健に思わず笑った。


「は?じゃぁ、一体何見て笑ったんだ?」


健は写真を取り返すと、食い入る様に見ている。





俺は健の質問には答えず、教室の片隅に視線を移した。


「あ、この後ろの方に写ってるのって・・・。」


横から健の声を聞きながら、楽しそうに友達と笑っている横顔を見た。


自然と口元に笑みが浮かぶ。




今も写真も、笑顔を浮かべている横顔。

誰よりも綺麗だと思うし、可愛いと思ってる。



だけど・・・。



友達に向けるよりも、写真に写ってる笑顔よりも。

俺に向けて笑ってる時が一番いい顔してるって思うのは、俺の勘違いじゃないよな。








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