ごめんね
それだけがずっと言いたかった。


恋の盲目
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ある日の帰り道だった。
連休が始まる少し前。
「あーあ…。しばらく会えなくなっちゃうナァ。」
私は一人愚痴る。
長い休みが始まれば、気になる彼にも会えなくなる。
それが鬱で、仕方なくて。

それを夕に愚痴る日々。

夕はため息を一つついた。
そして空を見上げる。

「逢えないのは、私も一緒なんだけどな…。」
夕が誰に言うでもなく呟いた。


寂しそうな声が、私の中で木霊する。


好きな人に気を取られて
夕のことなんて、ちっとも考えていなかった。

夕はどんなに悪態をついても
結局黙っていつでも聞いていてくれたのに

私は夕の話なんて
一つも聞いてあげれていないのに。

私は何も言えなくて、夕はいつものように黙っていて…
二人、静かに商店街を通り過ぎる。
捕まらない夢を追いかけて
目の前の大切なものを投げやりにしてた。


ごめんね、夕。


そう呟くと、夕は驚いたように振り返った。
そして、いつものように笑うと

何いってんだか、と呟いてまた歩き出す。

恋も大事、でも
夕とはずっと一緒でいたいから
今までのことをちゃんと胸に刻んでいこう。

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拍手ありがとうございます!
当サイト長編の各主人公でもある
夕&亜矢のコンビで友情モノにしてみました。
女同士の友情って複雑なイメージです。
次は、お相手同士でのコンビにしてみようかな
なんて考えています。

本編も熱筆中です♪
応援ありがとうございました。
また是非遊びに来てくださいね。

管理人:柊 世栖



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