その一押しが、ワタクシの明日へのエネルギー! ありがとうございます。
== 拍手御礼・Ver.SUMMER ==
四角い窓から眺めるから、空は四角く見えている。
そんな当たり前のことを半屋は考えている。
授業中 ――― 右手で頬杖をついて、少しだけ視線を上げて。
ああ、だから空は四角いのか。
こんな風に見る空は嫌いだ。昔を思い出すからだ。
リノリウムの床と薬品の臭い。
半屋の眉間に皺が刻まれてゆく。
ブルルブルル----
ポケットに入れた携帯が、3度だけ震えて止まった。
メールだ。
半屋の携帯には、10ほどの番号しか入っていない。
それを眺めて ――― 当然の結果なのだろうと思う反面、どこかで寂しさを感じている自分がいる。
誰も寄せ付けずに生きてきたのだから。だからこれは自然だ。
けれどその「自分の決めた自然」のままに本当に生きてきたのならば、この小さな機械が手の中にあることは不自然だ。
拘わる誰か、が。
この小さな銀色の機械が、拘わる誰かがいることを。
この小さな銀色の機械が、確かに自分が存在していることを。
『見ーーーたーーーなーーーー
授業中にメール見てたらダメだよーーー
寝ててもだめだからねーーー』
てめーで送っておいて、見てたらダメとは何事か。
そんな風に思いながらも、ふと。
こちら側に自分をくくりつけてくれる存在が、とても愛しく思えて。
知らずに緩んだ口元。
小さな絆を両手で抱きしめるように包み込んで。
半屋は机に突っ伏した。
重ねた両手に額を乗せて。
繋がっていたいのだと。
その返事が届くように願いながら。
いや、こんなことも授業中にあるんじゃないかなぁ…っていう。
とんだ妄想です。お粗末さまでした。
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