尊敬と、羨望と、そして憧れと。
彼に抱いている思いは、多分、自分のボスに抱いている思いと
同じ類のものの筈で。

「…また随分、難しいカオしてんな」
「ッ!?」

苦笑混じりの声があまりに唐突で、リコは思わずその声の主を見上げた。

どうやら、ロマーリオが隣に来た事にすら気づかないほど、
とりとめのない事を、真剣に考えこんでいたらしい。

いつもの癖で眉間に皺を寄せ、神経質そうな表情のリコを安心させるように、
ロマーリオはぽんぽん、と彼の頭を乱暴に撫でた。

「考えすぎだ、オマエは」
「……はい…」



…誰のせいだと思っているんですか。


胸を過ぎった言葉を口にする事もできずにリコは黙り込んだ。



ただ。
頭を撫でる手のぬくもりを、今独り占めしていることが嬉しいと思うほどには、
彼のことを思っているのだと。

たった今気づいて、困惑した。


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ロマ←リコです。











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