「ルルーシュってアレに似てるよね」 「何だいきなり」 「アレだよ…魚に似てる」 「さかな…?ど、何処がどんな風に?」 「泳いでないと死んじゃうとこ」 「え……」 「疲れたり溺れたりしないのかなぁ。可哀想になってしまうのは僕だけかな」 そうかそうか、可哀想なところが酷く似てるんだね。 どうしようもなく哀れな君。 いっそ僕が楽にしてあげたいよ。 溺 れ る サ カ ナ 「夏だよ。プールに行こうよルルーシュ」 「興味ないな。大体夏だからってだけであんな塩素臭い所行く理由になるか」 「夏に行かないなら一体いつ行くって言うのさ」 「そういう類のもの全体に興味が無いってこと。つまりいつでも行かないって事だな。平たく言えば」 「えー!?」 「何が不満なんだスザク」 「折角の夏休みなんだし、何処か行って遊んだりして有効活用しようよ」 「ならプール以外でもいいじゃないか」 「じゃあ、遊園地」 「却下。炎天下の中で並んだりしたら、ナナリーが倒れる」 「…ルルーシュの方が先にね」 「何か言ったか」 「ううん。じゃあ、山」 「論外だ。整備されてない道を車椅子が通れる筈が無い」 「ナナリーなら僕がおぶるし」 「馬鹿か。ずっと負ぶさってくなんて、ナナリーが気を使うだろ」 「不便だなルルーシュは。ナナリーナナリーって、たまには僕のことも…」 「聞こえないな、何か言ったか?」 「いーやなんにも。じゃあさ、海。海に行こうよ。海ならナナリーの足も問題ないから。体浮くからね」 「…海は嫌いじゃない」 「やった!決定だね。明日にでも行こう。すぐ行こう」 「まったく、忙しない奴だな…子供か」 「うん?なにか言ったの、ルルーシュ」 「いいや、何も」 「楽しそうですけど、スザクさん」 「うん、なに?ナナリー」 「お兄さまは、泳げないんですよ」 「ナナリー!」 (……なんだ。ちゃんと僕のことも思ってくれてるんだな。ルルーシュは) (うん。絶対僕のためだ。でなけりゃ泳げもしない海に行くなんて言うわけがない) 可愛いなぁ。 凄く愛おしい。 捻くれてても素直じゃなくても君はいつでも人を優先に考えている。 常に自分の為じゃなく、誰かを優先に。 「大丈夫だよルルーシュ。ちゃんと君とナナリーに浮き輪を買っておくからね。それに海中で目を開けるのが怖かったら、僕が目隠ししてあげる」 「…っ、馬鹿かお前!そ、そんなの怖いわけがないだろ。大体全く泳げないわけじゃ」 真っ赤になって喚き散らす君を横目に僕はそっとほくそ笑む。 泳ぎ方を知らないのに泳ぎ続ける可哀想なサカナ。 そうしないと死んでしまう溺れるサカナ。 なんて不器用な君。 これだから手放しにしておけない。 ならば僕はこっそり君に目隠しをするよ。常に。 正しい道に、誤って進まないように、ね。 ずっと、ずっと。 だから安心して早く僕の処へ堕ちておいで。 Fin. プールに行っていたのを見て、何かルルーシュプール苦手そうだけど… と勝手に妄想。 でも海水もダメそうですな。アレルギーありそうですな。 拍手有難うございました!! 何かコメント残していただけると死ぬほど歓喜しますv (MEMOにてレスさせていただきます。不要の方は最後に*を入れてください) |
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