〜Sweet Day〜







「甘いものが食べたい」



唐突に言った御剣に首を傾げてしまうのは当然だと思う。



ぼくじゃなくても、多分…同じ反応をしただろう。




「何?突然」



不思議そうにすれば。



「いや…すまない、忘れてくれ」



なんて言うものだから。



結局その日一日その言葉が離れず今に至るわけだけれど。



あぁ、なるほど…こういうことだったのか、と。



街に出てみてはじめて気づく。



2月14日。



忘れていたけれど今日は、バレンタインデーだ。



「……ぼくにこの中で買い物をしろって?」



バレンタインコーナーと書かれたそこは女の子たちで溢れている。



申し訳ないけれどそんな中に踏み込んでいく勇気はない。



罰ゲームでもなきゃ、できない。



どうしようかと、迷って。



結局。



ちょっと贅沢な一口チョコをひとつ。



夕食にさりげなく添えて出せば多分、喜んでくれるだろう。



それから。



チョコレートよりもずっと甘い夜を。



御剣と二人きりで過ごせればいい、なんて考えて。



すっかり毒されている自分に、ちょっと笑った。
















甘々らぶらぶな二人を目指しました。
短いですが…成歩堂宅でお食事ってことで。
連載中の二人はまだくっついていないのでこれは未来のお話ですねー。
バレンタインフリーSSとなってますので、
気に入ってくださった方はどうぞお持ち帰りください。
その際一言「持ってくよ」と教えていただければ嬉しいです。
2006.02.14.





一言いただければ嬉しいです(拍手だけでも送れます)

あと1000文字。