『突撃☆隣の真田さん★』(4/5)





ハーイ皆さんこんにちは☆世界のアイドル真田司(つかさ)でっす!

幸村さんこんな感じで良いんですか?え?もうちょっとスターっぽく?えー俺もう充分銀幕のスター☆ですよぉ。ところでこんなビデオまわして何に使うんですか?は?拍手お礼?何ですかソレ??とにかく俺の家族についてレポートすればいいんですね?ハイハイ。幸村さんの頼みならおっやすい御用ですよー!あは。


じゃあ改めましておはこんばんにちわ!皆のアイドル真田司でーす!まずわがボロ屋からご紹介〜。

みなさまの正面に見えまするのが真田の家です。見た目はでかくて立派だから友達とか連れてくるとまず羨ましがられるけど住んでる身としてはぜんっぜんそんなこたないですー。無駄に広いだけ。誰が掃除してるってお手伝いさんとかセレブ〜な人がいればいいんだけど、むしろ俺がお手伝いさんって感じ?マジ勘弁して欲しいってのー。賃金よこせ。

で、右手に見えるのがウチの収入源である剣術道場。家とは離れになってます。親父が師範代やってて結構繁盛はしてる?の?幸村さん知ってるー?……でーすーよーねー?いやー俺は中学あがるまではやらされてたんだけど中学入ったらテニスの面白さに目覚めて道場には近付いてないからさっぱりー。幸村さんまた相手してくださいね!道場はかなり広くてたまに幸村さん含め親父の友達が何人か集まって酒盛りしてます。そのときは面白そうだから道場に遊びに行くんだけど親父に追い返されるんだよねー。別に俺だってもう17なんだから酒ぐらい飲めるっての!でもたまに仁王さんとブン太さんと切原さんがこっそり飲ませてくれるから俺、あの人たち好きだなー。

え?幸村さん?や、幸村さんも好きだけどさすがに一升瓶の泡盛口に突っ込まれたときは死ぬかと思ったからもうやめてくださいねー。

剣術は勇(いさむ)アニキも高校あがったらもうやってないんじゃなかったかなー?たまに親父と打ち合いしてるらしいんだけど。熱心にやってんのは弟の穏(しずか)かな。名前の通りおとなしめでオフクロ似のやつなんだけど親父や勇アニキの話によるとむっちゃ強いらしんだね。穏はウチ以外に中学でも剣道部入ってんだけどなんかこないだの全国大会で準優勝とかして学校じゃ『平成の沖田総司』とか言われてモテモテらしいんだぜ!ケーッ、なーにが沖田総司だ!新撰組なんてもう古いっての!俺は剣豪なら宮本武蔵が好きだね!巌流島とか!ビバ戦国!へ?巌流島は戦国じゃない?そだっけ?鎌倉?へー!

「何やってるんですか司兄さん。幸村さん、巌流島は江戸時代です。兄に間違ったことを教えないでください」

おっ!穏じゃん!ちょーどいい!ハーイみっなさーん!これが弟の穏でーす。よく親父と勇アニキと俺と並ぶと穏とは本当に血は繋がってるの?って聞かれるくらい親父と上の兄とは似ていない弟です。ホラ穏、お前もパソコンの前のみなさんにご挨拶なさい!

「…ホントに何やってんですか司兄さん」

弟よ!何故そんな冷たい目で兄を見る!お兄ちゃんは悲しいぞ!

「いくらで幸村さんに買われたんですか?どうせ500円くらいで引き受けたんでしょ」

か、買われたって人聞き悪いな!それに500円って!俺はそんなに安くないぞ!1000円だ!!それより親父知らね?なんか幸村さん親父の画欲しいんだってー。道場?勇アニキも?えー?よりによってあのふたりが一緒にいんの?幸村さんやっぱやめません?ダメ?いやもう泡盛は…!あのときは本当に川が見えたんですよ!きっとあれは噂の三途の川…ハーイじゃあちゃきちゃき行きましょう!穏ありがとな!や、楽しんでやってるからってちょっと、カメラが近いです幸村さん!いくら俺が銀幕のスター☆でもこんなドアップはきついですって!また後でな穏〜!



ハイハイーイ、ここが道場ですー。時々親父が藁切ってます。斬ったと言えば、昔親父の友達との酒盛りで酔った親父が酒瓶を真っ二つに斬ったことがあるんですよね?見たかったなー!その場に勇アニキはいたんですよねー?羨ましいなー。

「幸村さんこんにちは。…司、お前は何をしている」

あらちょうど良いタイミングで勇アニキ!なーなー、勇アニキは親父が酒瓶ぶった切った時にその場にいたんだろ?どうだった?

「どうってアレはゆきむ…ゴホン。幸村さんは司と何を…は?拍手お礼?…はあ、なんだか良くわかりませんがとにかくお礼を言えばいいんですか?はあ。えー、パソコンの前の皆様?どうもありがとうございます」

あれ?棒読みちっくな所が気になるけど勇アニキにしてはノリノリだね。どうしたのー?なんで目をそらしてんのー?

「勇、入り口で突っ立って何を…ゆ、幸村…!司と一緒に何をしている」

あ、親父ー!お勤めごくろうさーん!っつーか穏といい勇アニキといい親父といい、何で俺と幸村さんが一緒に居たらそんな変な顔すんのかなー?失礼ですよね幸村さん。

「それで司は何をしている。ところでその手に持ってるしゃもじは何だ」

あ?これ?穏はスルーしたけどいい所に気がついたね親父!でももっと良く見てくれよ!しゃもじじゃないんだ、これが。

「こ、これはしゃもじ型マイク…!」

よく気が付いたね勇アニキ〜。幸村さんはしゃもじに小型マイクをつける小手先の技は使わないんだコレが。しゃもじの形したマイクなんだぜこれ!幸村さんお手製なんだよ。やっぱり芸術家ってすごいよなー。

「芸術家っていうか…」
「本当に何しに来たんだ幸村…」

あれ?二人ともなんでそんなげんなりしてんの?あれー、なんか楽しそうですね幸村さん。ところで俺はいつまでコレやってればいいんですかね?え?もういいんですか?はーい。


以上!『突撃☆隣の真田さん★』真田司がお送りしましたー!何かメッセージがございましたら遠慮なくどうぞ!ありがとうございました!幸村さん1000円くださーい!

(注)真田勇(19歳)・司(17歳)・穏(14歳)
※飲酒は20歳になってから

ありがとうございました!



ついでに一言あればどうぞ(拍手だけでも送れます)

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