現代版チハヤ*アカリ
「チハヤ。こんなところにいた。」
「やあ、アカリ。偶然。」
「偶然じゃないの。あたしが探したから会えただけ。」
「なにか用?」
「チハヤが消えるせいで、あたしが女の子たちに問い詰められたんだから。」
「ふーん。」
「人ごとみたいに聞かない。」
「なんて言ったの?」
「チハヤには、今好きな人がいるから、ラブレターとか受け取らないんじゃないかな、って。」
「はは、いーね。」
「毎年クリスマス前になると、チハヤの周りは騒々しくなるよね。あ、あとバレンタインとか、夏休みの前も。」
「ほんと、うっとうしいよ。」
「自分がモテてるってこと、忘れないで。」
「どうでもいい女子にモテたって、僕にメリットなんてないだろ。」
「またそんなこといって。」
「自分こそ、約束してるんじゃないの?」
「なにそれ、嫌み?あたしに彼氏がいないこと一番知ってるくせに。」
「だって、クリスマス前だから、分かんないじゃん。」
「アカリ。」
「なに?」
「好きな人が出来たって、あながち嘘じゃないかもね。さすが幼馴染。」
「うっそ、あたし聞いてない。」
「言ってないから。」
「誰、誰?もうクリスマスだよ。告白とかしたの?」
「言わないよ。」
「えーどうして。チハヤだったら、うんっていう子多いと思うのになあ。」
「分からない?」
「うん。そんな素振り、ひとつもあたしに見せなかったじゃない。」
「仕方ないなあ。」
「・・・・・ん。」
「これで分かった?」
「・・・・・・チ、ハヤ?」
「鈍いんだよ。アカリは。」
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