(炎熱/エグゼ)




「炎山」



ぽつり、と呟かれた名前。





+comfortable+





カタカタカタ…



炎山のキーボードを打つ音と熱斗の雑誌をめくる音しかしない副社長室。
そこに熱斗の小さな声が混ざった。



「どうした、熱斗」

「んー?なんとなく呼んでみただけ」



パソコンから目を離さずに聞いているであろう炎山に自分も読んでいる雑誌から顔を上げずに答える。


雑誌がパラリ、とめくられる音。




「寂しいのか?」




バサッ



熱斗の手から雑誌が落ちた。




「!!なっ!ちっ、違うよ!」


慌てて落とした雑誌を拾う。


「ほー、そのわりには寂しそうな顔してたぞ?」


パソコンから目を離してニヤニヤとこちらを見てくる。



「〜〜〜〜っ、(見てたのかっ!)
…その通りです……」




手にしている雑誌で赤くなっている顔を隠した。


いつの間にか炎山が机から離れて自分の傍にきていた。
炎山は熱斗をふわりと優しく抱き締めて、頭を撫でる。






それはとても、とても心地よくて――







「よしよし」

「よしよしってなんだよ…」





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