パチパチ
拍手、ありがとうございました。
本当に、本当に、すごく励みになります。
拙い文章ですが、お礼文を用意してみました。
+こんな日常+
「なぁー…」
「何?」
「どっか遊びいかねぇ?」
「一人でいきなよ」
パソコンから目を離すことなくヒバリが言い放つ。
今朝、俺が急に押しかけたヒバリの部屋は
モデルルームのようにシンプルで、生活感がまるでない。
「風紀の仕事ってそんな大変なのか?」
「僕の仕事は風紀だけじゃないよ」
「…疲れねぇ?」
「君と話してたら疲れる」
相変わらずそっけない。
これ以上何か言おうものなら容赦なくたたき出されそうなので
仕方なくテレビをつける。
「何もねーな…」
野球の中継でもあっていようものならば何時間でも
無言でテレビに夢中になれるのに。
ゴルフや魚釣りなんて自分にはぜんぜんわからない。
みんなからは何に対しても積極的だって思われてるみたいだけど、
俺はもともと何かに興味を持つってことは少ないように思う。
周りの友人がハマっているグラビアアイドルや漫画、ゲーム…
どれもいまいちピンと来ない。
勉強も嫌いだし、歌は苦手、絵は下手。
今興味を持ってるのは、野球とヒバリ。
この二つの要素が俺の生活のすべて。
どうすればそれが伝わるもんかなー…
テレビから目を離してヒバリをじっと見つめれば、
再び「何?」とヒバリが口を開く。
「何でもねー…」
嘘。本当はいっぱい言いたいことはあるけど。
テレビに目を戻し、適当にチャンネルをいじる。
アナウンサーの陽気な声が聞こえる。
「あ…」
テレビに映し出された画像に目を見張る。
それはよくあるようなただの天気予報。
『…――は、曇りのち雨となっていますので
お出かけの際には傘をお忘れなく…」
そんな単純なものにも勇気をもらう俺。
「なぁ…」
「何?」
「曇のち雨だってさ」
「…だから?」
「家でいちゃいちゃしてようぜ?」
「一人でやってなよ」
相変わらずパソコンに向かっているヒバリを後ろから抱きしめれば、
ピクリと肩を震わせたものの、抵抗らしいものはない。
あれ…作業ぜんぜん進んでねぇ…?
覗き込んだパソコンの画面は、先ほど覗き込んだときとまったく同じ状態。
山本は一人合点して笑みをこぼす。
「俺、ヒバリのそういう素直じゃねーとこ、結構好き」
「…ッ馬鹿じゃないの」
素直じゃなくて、かわいいヒバリの額に、頬に、唇に、優しく口付けを落とすと、
山本は再びヒバリを抱きしめた。
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