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パラレル小説


原作でのヴィンスのギルへの執着を、逆にしてあります。
つまり、
ギルバートがヴィンスを猫っ可愛がりしてます。

なので、あくまでもパラレルです。


コメディ。
エリオットが壊れてます。
っていうか、みんな壊れてます。

カプは無いはずなのに全員ホモくさいです。


コメディです。
コメディです。
コメディです。


なので、…怒らないで下さい(笑)

どんなギルでもヴィンスでもエリオットでも許容できる方だけで御願いします!








「マヨネーズ…中にまだ残ってるはずなのに、出ないや」

そう云ってギルバートの料理を手伝っていたヴィンセントはマヨネーズを逆さにしてはのぞき込んでいる。
「ギル、これって一晩逆さにしておかないと駄目じゃないかなあ?」
「でもマヨネーズが無かったら料理が進まないぞ。…切ってスプーンでかきだすか。エリオット、はさみ取ってくれ」

ギルバートは何が不満なのか、家をでて一人暮らしをしている。
その兄の元へ学校の休みの度に顔を見に(正確に言うならギルバートの特技でも有る料理を食いに)きているので、この部屋には何度も来ている。
鋏、と云われてそのありかをすぐに思い出し、部屋の角の引き出しから取り出して渡そうとすると、その前に「鋏なら僕が…」と、ヴィンセントがポケットから鋏を取り出そうとする。
「ヴィンセント、こっちにかしてみろ」
ヴィンセントの手からマヨネーズが離れる前にギルバートがソレを掴んだためか。
はたまたギルバートが掴んだそこにマヨネーズが溜まっていたのかは分からないが。
ギルバートが掴んだとたんに、残っていたマヨネーズの中身が飛び出した。

……覗き込んでいたヴィンセントの顔にむかって。

「…ギル」
マヨネーズを顔面に浴びて、ひきつった笑顔でヴィンセントがつぶやくと、目をそらしたギルバートが
「わ、わざとじゃないぞ」
と、二歩くらい下がりながら慌てて答えた。
すぐ上の兄であるヴィンセントは、笑っている時ほど機嫌が悪いという、面倒な人間だ。

「わかってるよ。わざとだったら相手がギルでも許さないし」

相手が俺だったら、わざとじゃなくても許しては貰えなかったに違いない。
はああ。…と大きな溜息をつくと、ヴィンセントは空になってしまったマヨネーズの容器をごみ箱に放り投げる。
「ヴィンス、タオル取るか?」
「いい。髪にもついちゃったし、顔洗ってくるよ」
そう云って面倒そうに洗面所へむかおうとするヴィンセントの腕をギルバートが掴んだ。
「何、ギル?」
「…もったいない」
そう云ってギルバートは、ベロリとヴィンセントの顔についたマヨネーズを舐めた。

さすが、日ごろからチラシ片手に買い物し、大根のしっぽすら捨てずにピクルスにするほどの倹約家のギルバート。
顔についたマヨネーズすら捨てずに舐めるのか。

……って、驚くのはソコじゃねえだろ?!

「ギルバート…くすぐったいんだけど?」
「我慢してろ」
照れるでもなく慌てるでもなく。
ヴィンセントは、早くおわらないかなーという顔をして突っ立っている。

「オマエら…オマエらって…ま、 まさか…」

面倒臭そうにこっちを向いたヴィンセントの顔はいたって普通だ。
「エリオット…何?」
兄とはいえ、男に顔を舐められて普通な顔をしてられるものか?
ありえない。
俺だったら100メートルダッシュで逃げるに決まっている。
いやソレ以前に、兄弟とはいえ男の顔なんか普通舐めねえだろ?

まさか。
オマエら。
俺の知らない所で…。

で…で…で…出来ちゃ………

恐ろしい考えが頭に浮かんで、目をきつく閉じて頭をぶんぶんと振る。
ありえない。そんな事があってたまるか。

ヴィンセントは鋏やぬいぐるみを持ち歩いてるような男でちょっとおかしな所もあるけれど、基本的に(?)女好きででも常に女に囲まれていて決してホモじゃねえ。
ギルバートはギルバートで過剰なブラコンではあるが、あのチビ、もといマスター一直線のコイツが誰かに愛だの恋だのいう気を起こすわけがない

そうだ。
ありえない。
これは何かの見間違いに違いない。
そう思い直してそーっと目を開けると。

なんと。
ギルバートがとヴィンセントの手を掴んで舐めていた。
「あれ…手にもついてた?」
「ベタベタだ」
そう云って猫のようにヴィンセントの手をギルバートが舐める。
「もう…ギルバートったら…」
「おとなしくしてろ」

なんだなんだ!その甘い台詞は!
タラリ…と背中を冷たい汗が流れた。
まさか…ではなく。本当にホントウだったり…。

「あのさ…オマエら…って…」
「何、エリオット。さっきから。云いたいことが有るならハッキリ云ってよ。無いならそこで大人しくしてて」
不機嫌そうなヴィンセントの声に押されて、反射的に聞いてしまう。
「オマエらって…もしやデキテんのか?」

ひやーん。

…と、音もなく冷たい空気が流れた。
二人の目からは零度以下の光線が出ている。
「エリオット…おまえ…」
一緒に暮らしている間には見たことも無かったような哀れみの目でギルバートが俺を見る。
その隣では哀れみではなく、明らかに軽蔑の目をヴィンセントが向けてくる。
「もしかして頭の悪いエリオットは、僕たちが実の兄弟な上に男同士って忘れちゃった?」
「んだよ!だったらオマエらホモみたいにいちゃいちゃしてんじゃねえよ」
「いつ、僕たちがいちゃいちゃなんてしたのさ」
「今、目の前で顔なんかなめてたじゃねーか!ンな事ヤロー同士で普通しねえだろーがっ」

云いたい事を一気に云うと、ヴィンセントが一瞬呆気にとられてから大きな溜息を吐いた。
「救いようが無い…」
「そういうな。エリオットは本物の貴族だからわからないだけだ」
「えー、僕には頭がバカなだけにしか思えないけどなあ」
なんだと?!
「ヴィンセント、いいからお前は黙ってろ。……いいか、エリオット。世界中で流行し、かつ庶民の大好きな言葉を教えてやろう」
「…は?」
「『モッタイナイ』。国連でも大ブームをおこした日本の流行言葉で、物を大切にするという意味だ」
たんたんと説明を続けるギルバートの横では、ヴィンセントがこれだから学校なんかに通わせても意味が無いんだとかなんとかつぶやいている。
「ギルがマヨネーズがもったいないと思う気持ちに僕は賛同するよ。…どうせお金がありあまっている貴族の嫡男にはマヨネーズちょびっとを大事にする心意気は分からないだろうけど」
「よせ、エリオットは悪気が有るわけじゃ無い。生まれた時から裕福なだけだ」
「だって僕、ホモと疑われたんだよ?」

待て。
なんか論題がずれてないか?

「やっぱり髪がベタベタするし、僕、シャワーあびてくるから」
「ああ」
二人の中では俺が【バカでおぼっちゃん】という事で会話は完結したらしい。
勝手にバカにされて(ギルバートには哀れまれて)二人に何か言い返そうと思いながら何も言えずにいると
「待て、ヴィンス。俺が洗ってやる」
「…子供じゃないし一人で洗えるからいいよ」
「一人で入らせるとおまえ、風呂場で寝るだろうが」
そう云ってギルバートがヴィンセントの背中を押しながら、浴室のドアの向こうに消えていった。


なんだなんだ!なんだそれは!
男同士で一緒に風呂なんて入ってるんじゃねえよ!オマエらホモか!

…と怒鳴ったらまた変態扱いされそうなので黙っておく。
くそう。
みていろ。覚えていろ。
いつかギルバートが素手でコロッケを作っている時にモッタイナイからと、手についたジャガイモも全部なめてやるからな!



END





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