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以下、黒子でお礼文です。1種類でごめんなさい。

 最近もっぱら隣の黒子くんをじっと見ている。授業そっちのけだ。
 黒子くんは、とても綺麗だ。なんでクラスメイトの女の子たちが彼に騒がないのか、私にはさっぱりわからない。斜め前の席の火神くんは、でかいし怖いけれど、黒子くんは適度な大きさで物静かで、私は黒子くんの方が好き。でも、黒子くんと火神くんは同じ部活だからか、結構仲が良くて、二人の話す姿を横目に羨ましいなと思う。私は、黒子くんと話したことがない。
 入学式からずっと黒子くんを見つめ続けているのだけれど、周りはなぜか誰も私の黒子くんへの好意に気付かない。火神くんだけが「お前黒子見すぎ。」と言うけれど、私の恋心に気づいているかは疑問だ。他のみんなは、私が空を見ていると思っているようだ。確かに私は空を見ているけれど、窓越しの空なんてちっとも目に入らない。黒子くんの窓の外の青空のようなきれいな、透き通る青い髪の毛を見ているだけなのだ。まぁでも私は最後列。私の目線を追える人はそうそうにいないのだから、仕方がないのかもしれない。
 黒子くんは、まじめそうにみえる見た目に反して、結構不真面目だ。授業中はよく寝ている。彼の寝息とか、数学の先生が書く美しい公式を黒板に書く音とか、教科書をめくる音とか、風でカーテンの揺れる音とか、そういったものをBGMにしながら、私はいつもまるで外を眺めるようにじっと黒子くんを見つめている。ちょっとストーカー気質があるんじゃないかって自分でも不安になるぐらい、じっと。呼吸で揺れる彼の華奢な肩とか、さらさらの髪とか、透き通る肌とか、見ていて飽きないのだ。たまにこっそり他の人の様子をうかがうけれど、誰も彼を見ていない。こんなにも綺麗な彼を、誰も見つめていないというのは、世の中不思議なものだ。まるで私にしか見えていないみたい。そんなことまで思ってしまう自分の独占欲の強さに笑ってしまう。普通、こんな青い髪をした人間が、誰にも見つからないなんてことはありえないのだ。私の願いはひどく滑稽だ。

 そして、今日も黒子くんと火神くんは部活の話をしている。私は、次の時間の教科書を準備するふりをしながら、いつものとおり、こっそりと黒子くんを見る。堂々と黒子くんを見るほどの度胸は、私にはないのだ。あの綺麗な瞳を通して私を見たら、きっとこの汚い感情とか、いろいろ、見透かされる気がするから。
 そんな気持ちなどお構いなしなのか、火神くんが急に私に声をかけた。
「お前、今度の試合よかったら観に来ねぇ?」
 急に何を言い出すのか。理解できない私はそのまま固まってしまって、それからゆっくりと「バスケ、よく、わからない。」と片言で答えた。火神くんは頭をガシガシとかきながら、「おまえ、馬鹿だろ。」と言う。そのことばで、あぁ、火神くんは私の汚い恋心に気付いていて、あまりにも私がなんにも行動を起こさないから可哀想に思って私を誘ってくれていたのだと理解した。確かに私は馬鹿だ。黒子くんは私たちの思いも知らずに「火神くんに馬鹿なんて言われたら彼女が可哀想です。謝ってください。」と謎のフォローをいれてくれた。私をフォローしてくれるなんて予想外だったから、これにもまたあたふたしてしまって、教科書が手に当って盛大に飛んで行った。それを拾ってから黒子くんに「ありがとう。」とお礼を言った。火神くんは、飛んで行った教科書よりも盛大に溜め息をついた。



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