我々は二つ目があるが、後ろにも横にも無く、いつも見えていないものがあるのである。




eyes




ベルドリトは眼帯をよく触る。
その手は壊れ物を扱うようだ。
その下はもう壊れ物ではなく壊れた物だが。




「兄貴は一つ目」



何が楽しいのかそう言ってはまた妙な笑いをする。



「兄貴は一つ目」




俺がベルドリト風に言う二つ目だった頃はもうアイツの中にはないのだろう。




「俺は一つ目か。」






それでいいのだろうあのことが起こるまでの楽しかった日々も嬉しかった歳月もみな。





俺の一つ目と一緒に今はない。





そして閉ざされたのは何も目だけではなく。





真正面から自分を見詰る弟の視線を反らす術(スベ)も知らず、顔を反らす意志も立たず、
取り繕う言葉も出ず、ただただ俺はその両目の二つ目を見つめ返すことしか出来ずにいたのだ。





されど罪人は竜と踊る ベルドリト・リヴェ・ラキにイェスパー・リヴェ・ラキ



ありがとうございました。












掛けて下さることがあれば…(優しくされるのになれてません)

あと1000文字。