5、日頃の感謝を込めて



「今日一日、お前は何もしなくていい。」

朝、いつも俺より先に目覚めているお前。
今日だけは、俺が先に目を覚まし、お前の寝顔をじっと見つめてた。
寝ぼけている彼女は、理性が飛びそうになるくらい可愛い。
こんなお前を見れるのなら、毎朝早起きも悪くねぇかもな。

なんだかんだ、文句を言いつつも、俺の言うことを聞き入れてくれる彼女。
「ありがとう」なんて、今更言えるかっての。
ただ、思う。

お前が居てくれて、本当に良かったと。

だからこそ、今日くらいは、この俺様が何かしてやろうと、冒頭の台詞を起きたお前に言った。
メイドには気を遣うから嫌だと、全部払ってしまったのは失敗だった。
できなくもない料理は、お前が作ってくれるほど豪華なものは作れねぇし、
掃除なんかクソ食らえだ、部屋の数に辟易する。
何度も何度も言っただろ、もっと良い洗濯機だか乾燥機だかがあるって。
アイロンもメイドにやらせればいいことだろ、やり方わからねぇんだよ。

昼ごろにはやたら疲れて、しかも荒らし放題で。
何やってるの、とお前に怒られて、結局午後は全部任せてしまって。

毎日毎日、こんな疲れることをやっていたのか。
確かに俺は、外で仕事をして、金を稼いできているが、家のことは何もできない。
俺が帰ってきて、当たり前のように食事があって、風呂は沸いていて、
笑顔で「おかえり」と言ってくれることが、当然のことのように思っていた。
俺が此処に帰ってきたとき、安らげる場所を作ってくれているのは、紛れも無く彼女で、
きっと、俺は、お前がいないと、それさえもできない。

改めて分かった。
お前の、大切さを。

日頃の感謝を込めて、やってみたことが、
全部、より多くの感謝を生んでしまった。

結局、俺は俺の性に合わねぇことはやらないほうが良いみたいだ。
最後に大変なのは、お前みたいだし、それじゃあ意味なんてねぇし。

だからこそ、日頃の感謝を込めて、
今夜はいつも以上に、愛してやるよ。

これ以上ないってくらい、毎日、愛してるがな。
そして、疲れて眠ってしまうお前に、一言、たった一度だけ囁いてやる。

「ありがとう」と。







「永遠を誓った二人のお題」05. 日頃の感謝を込めて  跡部景吾verでした。
不出来不発…跡部はもっと格好良いのに…!でも炊事洗濯やる跡部は可愛いと思う(ぐっ)

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