簡単なことが、言葉に出来ない。



手を繋いでも良いですか?



「おい。あまり勝手に歩くな」
「うるさいやつだな。別にいいだろう」

二人きりの生活を始めて、2ヶ月が経った。
少しの暮らしならば、同時に始めた家庭菜園で何とかなるのだけれど
たまには変わったものが食べたかったり、したかったり。
そのときは、二人でお忍びのお出かけをすることも、稀にあった。



「はぐれるだろう」
「子どもじゃない」


ルルーシュの言葉に、C.C.はムッとした口調で返した。
それにも構わず、ルルーシュは言葉を続ける。



「迷子になるのが嫌だというなら、手を繋いでやらないこともないが?」
「馬鹿にするな。それはお前の方だろう」


機嫌を損ねたのか、C.C.は、ルルーシュを置いてさっさと歩いて行ってしまった。




「おい、待て!」


C.C.の背中に、声を投げつけるが
彼女はそれこそ構わず、ルルーシュとの距離は開いていく。




「くそ…っ」


うまくいかないな、と心の中で呟いて
ルルーシュは、C.C.の背中を追いかけた。



数日前のこと。
二人で散歩していると、C.C.が突如
「手でも繋ぐか」
と言ってきた。
その言葉に、どうしようもなく恥ずかしさを感じてしまったのと
彼女の触れるということに、過剰に意識してしまったのが重なって
さらに、持ち前の意地っ張りも手伝って
「お前と手を繋ぐ理由が見つからない。」
ここで終わっておけば良かったのに
一言多い断り方をしてしまった。

今日は実は、そのリベンジも、ルルーシュには含まれていた。




「ルルーシュ、今日はあれを買おう」


目的の品を見つけたC.C.は、それを指差し
会計を催促する。




「また変なものを・・・」

と文句を呟きながらも、C.C.お目当ての品を買う。

ふと、彼女を見れば
手は赤くかじかんでいて、白い息を指先に吹きかけていた



「・・・」


この間の「手を繋ごう」も、実は寒さを紛らわすためだったのかも知れないと気づく。



(素直じゃないな)



正直にそういえば、すんなりと応じるのに




(素直じゃないのは、お互い様か)


似たもの同士の二人だから、進まない。
進めない。

君に触れる口実を、与えてくれるというなら





「行くぞ」



会計を済ませたルルーシュは、自然にC.C.の手のひらを包み込んだ





「何をしてるんだ?」
「わからないのか、手を繋いだんだ」
「意味がないんじゃなかったか?」
「寒いからだ」



意地悪く笑いを含めてからかう口調のC.C.に
理由があるとばかりに、堂々としたルルーシュ。




「手を繋ぎたいなら、初めからそういえばいいだろう」
「そっくりそのまま、お前に返してやるよ」



しっかりと繋がれた手。

『手を繋いでも良いですか?』

君に触れる、ひとつのきっかけ。


本当はずっと、君に触れたくて仕方がなかったんだ。




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拍手ありがとうございましたーっ!
手つなぎルルシーが書きたかったのです。
寒さを理由に手を繋がせましたが、他にも色々理由を作って
何とか手を繋がせたいところ。
シチュエーションがこれしか思いつかなかったという…
管理人の想像力のなさが切ないです(笑)

何はともあれ、拍手どうもありがとうございましたvv
何かメッセージなどございましたら、もう一度押してやってくださいませ。
心からの感謝を込めまして。




拍手使用お題。こちらのお題を使って創作活動。
気まぐれで増えたり減ったり。思いつくままです。
公開された作品のお題は、黒字です。


陽だまりの中 唄をききました/ありがとう。そう言って別れた帰り道 もっと貴方と一緒にいたかった なんて/
いつからだろうか 貴方を愛しいと思ったのは/胸の奥で高鳴る鼓動 きっと私の顔は紅く染まっている/
これからも僕を悩ませるのだろう/愛を教えてくれた貴方が 誰よりも愛しくて/どうかこの名も無き華を愛と呼んで下さい/
ゴツゴツしてて ちょっと大きくて 温かい 貴方の掌/魅せられた君の声/それはまさかのプレゼント/
離したくないと抱きしめられれば どれほど楽になれるのだろうか/ありがとう 貴方といた時間は永遠に忘れない よ/
すごく好きだよって 貴方は照れながら答えた/掴んだと思ったらまた離れてく/失くしたくない って 願ってしまっても いい の?/
やがて溢れ出した想いが/戦いは相手を倒す為では無く大切なものを護る為にあるのだと信じたい/
僕がずっとずっとずっとずっとずっとずっと ずっと/傍にいるだけで こんなにも幸せを感じるなんて 私はなんて幸せ者なんだろうか/
苦しくて もどかしくて この気持ちを君に言えたら どれだけ軽くなれるのでしょうか/あったかくて せつない 恋のウタ/
貴方が幸せなら私も幸せです/離れてゆく君の背を思わず僕は抱きしめた/二人寄り添うだけでこんなにも幸せが私の中から溢れてくる/
僕から君へ 届いていますか?  君とのコードは繋がっていますか?/恋していました 愛していました 貴方のことを 誰よりも/
明日もしも君に出会えることが出来たなら きっと僕は/少しだけでもいいから貴方と一緒にいたいので す/恋しい貴方の背中/
そんなものもう要らない。また あの場所で また。合言葉は 二人だけの遠い約束/帰り道 ゆっくりと影が伸びた/
だからこそ僕は君を護りたい/微熱が治まらない 君のせいで/壊れそうなほどに抱き締めたい/手を繋いでも良いですか?/
愛のウタ



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