拍手ありがとうございます。 お礼小話どうぞ。戦国BASARA2(なの?)の幼いころの真田主従です。 びゅうびゅうがたがた戸が鳴って、吹き付ける雨の壁を打つ音が大きな大きなばけものを呼ぶ。 じめじめした空気はばけものの吐息、爪あとは地面に深く残る、こんな夜に外に出ればたちまち丸呑みにされてしまうのだ。 「さすけ...」 「ここに居るよォ」 「ばけものがくる」 「来やしないよ」 まだちいさな身体に大きすぎる布団。 弁丸は身体を縮こませて、佐助はその横でうとうと舟を漕ぐ頭を片腕で支えて、幼い主の機嫌をとる。 「旦那、でもねェ、早く寝ないと来るかもよォ」 「!」 「大きな口でね、足なんか八つもあってね、旦那くらい一飲みにしちまうんだよ」 「う、うそだ」 「嘘なもんか、だから早く寝なよォ...」 「...さすけ」 「ここにいるったら...すぐ隣だよ、ほら、手も足も触れてるよ」 弁丸の身体は温かい。佐助は、冷たい。 指先など夏でもかじかんだようで、どうしてこんなに冷たいのかと聞けば、佐助は笑ってなにか言ったが、弁丸はそれを忘れた。 「すぐ隣だよォ...」 大きな大きなばけもの。その足音。 (それはね、俺がばけものだからだよ) ねないこだれだ(子供編) |
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