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眼鏡〜その後の七班〜


 


 


「これがいいってば」

「こっちの方が可愛いわ」

 とある里のとあるチェーン店で、金色の髪の少年と桜色の少女が睨みあう。

 しばらく無言で睨みあっていた二人は、やがて互いに主張しあう。

「先生は顔がちっさいんだからごついのは似合わないって」

「なに言ってるのよ。色素が薄いからちょっと色のついた方がアクセントになるんじゃない」

「先生だぜ、サクラちゃん。『んーこういうのはちょっと俺には若すぎるかなー。

ほら、先生もうおじさんだから』とか言って、使わないくせに俺らからのプレゼントだからって大事に大事に棚にしまいそうだ」

「た、確かに」

 ものすごくありえそうだ。

 二人はうーんと頭を抱えるが、それ以上に頭を抱えているのは店員だろう。

 何十というフレームを前にして悩む少年少女に、さすがに笑顔が引き攣り始めている。

 その時だった。

 彼らとともに入店した、艶やかな黒髪の少年が沈黙を破ってひとつのフレームを手に取った。

 いつもカカシが愛用しているものと変わり映えのしない銀色のフレーム。

「サスケくん?」

「あ、おまえ、何勝手に決めてるってば」

「これが一番カカシに似合う」

「そうだけど」

「それに、よく考えてみろ」

「ああ?」

「美人教師には銀フレームが定番だろう」

「‥‥‥‥‥‥マニア」

 呆然と呟きながらも、ナルトの脳裏にはカカシが細い指でフレームを押し上げながら本を読むいつもの姿がよぎり。

「‥‥‥‥‥‥‥‥‥なに鼻を押さえてやがるウスラトンカチ」

「ついでに股間も押さえてるわよ、この性少年」

 ――――気持ちはわからないでもないけれど。





 かくて、カカシへのプレゼントは愛用しているものとあまり変わらないフレームとなったのだった。

「‥‥‥嬉しいけど、なーんか邪な意思を感じるんだよねえ」

「先輩、お似合いですっ。とっ、とととととととところでっ!」

「おまえもう帰れ」









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