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『微睡み』




深い眠りの中で、けれど何かが肌を這う感覚が不思議でリョーマはうっすらと意識を浮上させた。

「ん……?」

瞳は閉じまたまま、ころ、と小さく寝返りを打つ。
否、打とうとして自分の身体が動かない事を知る。
この日は不二の家にお泊りだった。
そうなれば眠る時は不二に抱き締められているから、そのせいだろう、と寝呆けた頭で考えていると案の定。

「リョーマ…起きちゃったの?」
「んー…」

頭の上からそんな柔らかい声が落ちて来た。
二人きりでいる時の不二の声は酷く甘い、と思う。
普段の声も好きだけれど、リョーマにだけ向けられる不二の声もリョーマは大好きだった。

「クスッ…まだ早いから寝てていいよ」
「うん………しゅうすけ…?」
「なぁに?」

そんな大好きな声に誘われるかのように再び眠りに落ちようとして、けれど。
微かな違和感にリョーマは不二の名を呼んだ。

「どうしたの、リョーマ」
「……な、んで…オレのパジャマの中に手ぇ入れてンの」
「触りたいから?」

にっこり。
いつからそうしていたのか不二の手はリョーマの太ももにしっかりと触れていて。
卑猥な手つきではなかったけれど、何だか気になってしまうのは最早仕方ないだろう。

「だから、って…」
「クスッ…本当に触るだけだから寝てて良いよ…?」
「で、も……」

言葉通り撫でるように、たまに揉むように触るだけと言われればその通りなのだけれども。
リョーマは不二の腕の中寝返りを打って不二に向き合う。

「だってリョーマの肌って触り心地が良いんだもの」
「…しゅーすけはねないの?」
「クスッ…すぐに寝るよ」
「………」

見るからにリョーマが眠りに落ちてからずっと起きていたと分かるのにさらり、と不二はそんな事を言った。

「って…だからなんでパンツまで…ッ」

じと、とまだ開ききっていない瞳で不二を見つめるとズボンだけでは飽き足らないのか、何故かパンツにまで手をかけられてリョーマは焦って不二のイタズラな手を捕まえる。

「あ、お尻も触りたくなっただけだから、気にしないでいいよ」
「ッ…気になるでしょ!!」
「クスッ…どうして? こっちも触って欲しいから?」

こっち、と不二の手が明らかに目的を持って動く。
途端に不二の目つきが鋭くなるのが分かってリョーマはぞくり、と背中に何かが走るのを感じた。

「ちょ、周助!!」

さすがにもう、無理だ。
さっきだってあんなにもされたのに。
本気で焦って不二を見れば不二は肩を震わせて笑っていて。

「……ゴメン、冗談だよ」
「…も、オレ寝るっス……」

完全に冗談だったらしい。
いや、もしかしたら多分不二としては本気だったんだろうけれど。
リョーマは軽く浮き上がらせていた身体を再びベッドに沈めた。

「クスッ…おやすみ」
「~ッす…」

そうしてぎゅう、と抱き締められて、瞳を閉じればリョーマはすぐに眠りの世界へと落ちていく。

「クスッ…その寝付きの良さはちょっと羨ましい…かな」
「……ん…」

すぐにすぅ、と穏やかな寝息が聞こえてきて不二は苦笑を零す。
そして手を伸ばすのは、やっぱりリョーマの足で。

「うーん…すべすべv」

肌に吸いつくような触り心地は一度知ってしまうとなかなか止められない。
きちんと筋肉はついているのに、硬すぎなくて、本当に好きだと不二は思う。
更に一度眠ってしまえばリョーマはなかなか起きないし、逆に不二は不二でなかなか寝付けない。
だからリョーマが眠った後にこうしてリョーマをまた違う意味で堪能するのは不二の習慣と化していた。

「クスッ…大好きだよ、リョーマ」

しかもぐっすり眠ってしまっているリョーマは翌日こうして不二が好き勝手している事を知らない。
当然だろう、痕を残すような事もしていないし、単純に触るだけなのだから。

「今度試してみようかな…」

一体どこまで気付かれないか。
それはそれで楽しいかもしれない、と思いながら不二は睡魔がやってくるまでの暫くの間、リョーマの足やお尻を堪能した(笑)




END


まさにヤオイ\(^o^)/
触りたがりな不二先輩が大好きですvvv

2011.05.08



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