狡い人

 
 
  
 
 
 

 
 

私の上司はずるい人だ。 






こうして全力で背中を追っているのに、
まったくもって指の一本も届かない。
 




 
 
指示は的確。
厭味は一流。


 
 

拳固はこぶしで、
馬鹿扱いなんて度々。


 
 
 



でも、

フォローは必ずしてくれるし
決して見放したりはしない。
  
 
 
 
 




そうと気づかれないところで守ってくれたり、
やさしく慰めてくれたりもする。 
  

 
 

 
 




私が敵うことといったら

持って生まれた

『身長』

『涙』

という武器。



 
 
 
 
 
  
でも、
身長なんて
自分ではどうすることも出来ないし 

 
この反射的に流れる涙は
反則技だと思ってる。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
だいたい 
 
 
 
 

泣いていると
必ず見つけにきてくれるし、

その大きな手で
必ず慰めてくれる。
 
 
 
 
 
 
 

例え、
それが電話越しであろうとも。 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 


そうして慰めてくれるから、

余計に大きく
余計に遠い人だと


そう、感じてしまう。
  
 
  
 

 
 
  
 
 
 
 
 
  


だから、
いくら敵ってると言ったって、

全然勝ってる気がしない。 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
  
 

 
 



 
 
 
私の上司はずるい人だ。  
 
  
 
 
 

 


その背中だけを追いかけさせておいて、
少しも待ってくれないんだから。






 
 














 
 


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アンナのやる気がズバッとアップしました★ 

一応・・・
郁→堂上の構図。

甘いポエム★(痛)にしようと思ったのに、存外に甘くないのは何故?



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