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少しでもお礼の気持ちをお伝えできれば、と思い仕上げた即興文ですが、 想いが伝わってくれたなら幸いです。 現在拍手文は3種類です♪ *** 「礼のひとつくらい言えないのか」 「俺は、言葉の安売りはしないタチなの」 二人の間に出来てしまった物質的な距離に、そっぽを向いた練の言葉に、龍太郎は溜め息をついていた。 楽しく飲んでいたのに。 とても、とてもいい気分だったのに。 売り言葉に買い言葉。 すっかり沈んでしまった空気が肌に刺さって、練はほんの少し悲しくなる。 もう今夜はこのままお開きになってしまうのだろうか。 貴重な逢瀬だというのに。 煙草の煙を吐き出す息に隠して、練も重い溜め息をひとつ。 どうしよう。 泣いてしまいそうだ。 「お前は、素直じゃない」 すぐ傍に、龍太郎の声。 「俺はあんたのそういう嫌味くさいところが大嫌いだ」 練の身体を抱き寄せる、大きくあたたかい腕。 練は引き寄せられる強さに逆らうことなく、龍太郎の胸の中へと自分の身体を預ける。 火がついたままの煙草を片手に、煙草が燃えて、灰になって、テーブルの上を汚していくことにも気付かない練は どうしたって素直になれない自分を持て余していた。 もっとうまくやれるはずなのに。 空まわりしてばっかりだ。 龍太郎の手が、練の指先に挟まれた煙草を奪っていく。 両の手の自由を得る練は、龍太郎の身体を抱きしめかえす。 「もうこの話はしまいにしよう」 怒っているわけでも、呆れているのでもない龍太郎の声は、とても優しい。 想いを言葉にする大切さくらい、練にだってよく分かっていた。 伝えたい想いなら、こんなにも胸の中にあるのに。 結局龍太郎への返事はなにひとつ出来なかったけれど、 代わりに練は間近で龍太郎の顔をみつめて、彼の口唇へとキスを送った。 |
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