【欲しがりません 勝つまでは】


僕はいわゆる皇子様でした。
望むモノは、何でも与えられました。
服も靴も玩具も、何だって与えられました。
だから、欲しいモノなんてありませんでした。


僕は一組の父と子を見ました。
そのとき、僕は気付きました。
そして、とてもとても欲しいモノができました。


けれど、とてもとても欲しいモノは、どうしても手に入りませんでした。
どうしたら手に入るんだろう?と、僕はみんなに優秀だと言われる頭を使って、
毎日毎日、来る日も来る日も一生懸命考えました。
答えは、分かりませんでした。


そして、母が亡くなりました。妹は目と足が不自由になりました。
僕はとてもとても悲しくなったので、父様に会いに行きました。
そのとき、とてもとても欲しいモノが手に入るかもしれない、という思いもありました。


けれど、とてもとても欲しいモノを、父様はくれませんでした。
父様は、僕を日本という国に妹と一緒に送りました。
日本は、たった数ヶ月で、エリア11になってしまいました。


父様、とうさま?――――いいえ、皇帝陛下。
貴方は俺に欲しいモノを与えてはくれなかった。
服も食事も、命さえも与えてくれたのに。
それだけは決してくれなかった。
ならば陛下、私は与えられるのを待つのではなく、自ら奪い取りに参りましょう。
世界の強者となり、貴方の元へと馳せ参じましょう。
戦い、奪い、勝利し、貴方の元へと辿り着きましょう。


そのときこそ、貴方は俺に”哀願”して下さいね。
俺は貴方の”愛願”が欲しいのです。
無様に泣き、叫び、命乞いをして下さい。
優しく抱き締め、囁き、微笑んで下さい。
そうしたら、惨く殺してあげましょう。
そうしたら、優しく生かしてあげましょう。
私は貴方を”憎んでいる”から。
私は貴方を”愛している”から。


欲しがりません 勝つまでは。
欲しがりません 会うまでは。
欲しがりません 貴方の【命】など。
欲しがりません 貴方の【愛】など。


FIN


あとがき☆(というか補足)
これは明菜だけが楽しい話ですね。(分かってるなら書くなよ)
補足しておきますと、これは勿論ルルーシュの一人称です。
前半部分が皇子時代のルルーシュの言葉遣いを意識してます。皇帝陛下呼びになる
後半部分はいわゆる日本で庶民生活しているルルーシュの言葉遣いですね。
そんでもって、結局ルルーシュのとてもとても欲しいモノとは何だったのか?
てか、途中から口調とか話の繋ぎとかなんかおかしくない?と思った方。
正解です。ちょっとしたトリックなんぞ入れてみました(馬鹿が)
文章全体を反転してみましょうvv明菜の無駄な努力が見えてきます(笑)
↓に同じく反転で更なるあとがきが読めます。(ただし、雰囲気ぶち壊しです)
つまりルルーシュのとてもとても欲しいモノとは皇帝からの”愛”でした(ヲイ)
でも、当然あのロール皇帝はそんなモノくれなかったわけですよ。
挙句の果てに「お前は死んでおるのだ」とかワケの分からん理屈を捏ね、
ルルーシュたちを捨てたわけです。で、ルルちゃんグレまs(殴)
「お前の愛なんていらんわ!代わりに命を奪ってやる!」と言わんばかりに拗ねまs(ry
でも本音では欲しかったわけですよ”愛”が。てなわけで、あの文章になったというわけです。

本当に書いていて明菜だけが楽しい話です(待てコラ)
質問受け付けますので、「意味分からんわ!」という方は↓からメッセージをどうぞv





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