ショートショート


「隊長、新しく発見した星の調査がほぼ、終わりました」

「そうか。何か目新しい収穫はあったか?」

「あの星で一番の知能を持つ生物は、未だに自動車というもので移動し、タバコという中毒作用のある物質の摂取を好み
ます。更に非常に好戦的で、我が星にくらべると、芸術のセンスも古めかしいですね」

「なんだ、全然、いいところがないじゃないか」

「それが以外なことにですね、我々と同じ超能力を持つ者が一部いることが判明したのです」

「ほう、テレパシーか、テレキネシスか?」

「それもですが、テレポートもです」

「なに、テレポートまでもか。そいつは大発見だ。間違いないのか」

「私も見ましたから、間違いないです。一瞬にして、何十トンもある戦闘機が目の前で消えうせましたから」

「それは大発見じゃないか。私らの中でもテレポートまで出来るものはわずか。しかも重量のあるものは無理だというのに。ぜひとも連れ帰って研究材料にしよう。高い能力の秘密がわかるかもしれん」

「しかし隊長、超能力は、ごく一部の者にしかありません。大したことのない者や、全くその能力がない者もおります。
凄い超能力がある者は、それを大衆に見世物にして生活しているようですが」

「見世物にするとは、やはり低俗な奴らだな。よし早速、一番の能力を持つ者を捕まえてこい」

「ご心配なく。そうおっしゃると思いまして、一番凄いのを捕獲して、もう宇宙船に乗せてあります。
脳の構造などが解明されれば、私らの能力の向上にもなりましょう」

「だ、誰か助けてくれえ!」

その頃、世界的に有名と名をはせる奇術師が、宇宙船の檻の中で必死に助けを求めていた・・・・・・。





焼いたCDの中の文章を取り出そうとして探してたら、こんなのを見つけました。
ショートショートという部類の文章です。
何年前? 7年ぐらい前?
当時でも、このオチは有りがちと思ったので、どこにも出してなくて何となく書いたんだろうなあ。

戦闘機じゃなく、飛行機を消すイリュージョンとかあったっけ。
オチは理解できると思いますが、どうでしょう?
手品って地球だけだったりして。 

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