僕の家庭教師の先生は、とても厳しい。

「どうしてこんな簡単な問題が分かんないの、アレン」
「……」
「今回のテストの点数も悪かったよね、俺の教え方が悪いみたいで、すっごい気分悪いんだけど」
「…ごめんなさい、先生」
「謝ってもダメ、悪い子にはお仕置きが必要さ」

眼帯で隠れていない方の翡翠の瞳でまっすぐ射刺すように見詰められ、思わず俯いてその視線から逃げてしまった。
見なくても先生が苛々しているのを感じ取ってしまう、きっと今日のお仕置きはいつも以上に酷いんだろうな…想像しただけで心臓がドキドキと早鐘を打つ。

「取り敢えず、これ全部解いて。復習程度の問題だからすぐできるよな?制限時間は5分」
「はい、先生」

僕がペンを持って座卓の用紙に向き直ってすぐ、ラビ先生のお仕置きは始まる。
正面に胡座を掻いて座る先生が胸元のポケットから取り出すのは愛用の指し棒。
シュッと勢いよく伸ばされた棒の先端が僕のペン先を邪魔するように紙面を這う。
かと思えばそのまま僕の方に近付いてきて、首筋にヒタヒタと当てられる。

「ッ…」

鎖骨を辿って降り制服のネクタイを何度か絡めるとシャツの上を異動して左の胸の上へ。
シャツ越しにでもラビ先生は全てが見えているかのように、冷たい先端を僕の乳首の真上に押し当てた。
回転を加えながらグリグリ押し込まれ、僕のそこはみるみるうちに固さを増しまるで先端を押し返そうとするかのよう。
乱れた吐息を隠しきれないまま、カタカタ震えるペン先を必死に動かして空欄を埋めようとするけれど、もう既に僕は問題を解くことよりも刺激を追うことにしか頭が働かなくなっていた。

「ぁ…ァッ……」
「あと3分」

指し棒を持っていない方の手首の腕時計をチラつかせて焦らす反面、片手では到底解かせる気もない指し棒の先端がより一層強く乳首に悪戯を仕掛けていた。
シャツの上からでもプックリと浮き出ているであろうソコをツンツン突いたり、弾いたり、押し潰したり…刺激を拾いすぎて視界が霞む。
舐めるような視線が僕の両胸に注がれているかと思うとそれだけで肩が震えた。

「ぃ、ゃ……ぁっ…ん…、せ、んせぇ…ッ」
「時間切れ、アレン…本当に悪い子だ」

途端にペンや用紙が飛び散るほどの勢いで座卓が退けられて、僕と先生の間を遮るものが無くなる。
すぐ間近に先生の整った顔、こんな簡単な問題も解けない僕を蔑む目付きにさえ興奮してしまう。

ラビ先生のお仕置きはいつもとても刺激的だから、覚えてしまった刺激に体が期待しているのが分かった。
けどどうしたことだろう、今日の先生はいつもと様子が違うようだ。
すぐにだって僕を霰もない姿にしてしまうのに、今夜に至っては柔らかく抱き寄せたりもする。
首筋や耳朶に吸い付いてキスする音がくすぐったくて、さっきの目付きとは裏腹な行為ばかりで戸惑いさえ感じる。

「アレン、分かってるんだよ」
「ぁ…せんせ…?」
「本当は俺にお仕置きしてほしくて、わざとテストの点落としてること」
「ち、ちが…そんなこと…!」
「違わないだろ、アレンの知恵の高さは俺が一番良く知ってる。酷いことされたくて仕方無いんだよな…?でも言えない、恥ずかしいから」
「…ッ」
「だから出来る問題も解かないで順位も下げちゃって…、本当に悪い子、しかもいやらしいなんて最悪」

だからお仕置きなんてしてやんない、それが今日のお仕置きだと、先生は言った。
ドクドクドクと心臓が飛び出そうなほど鼓動を打っているのは、先生が言い放ったことが全て図星だったからだ。
どうしてバレてしまったのか分からないがとにかく今は恥ずかしすぎてこの場から逃げ出したい、先生と顔を合わせられない。
けど僕の体はラビの膝を立てた足の間にホールド、背中はベッドの脇で逃げ道なんて皆無。

「っ……ぃゃ……ぁ…、」

お仕置きをしないことがお仕置き、確かに今の僕にこれほどの苦痛は無いかもしれない。
さっき先生が指し棒で意地悪をした箇所がジクジクするし、その刺激を素直に受け止めた下半身も熱を帯始めていて辛い。
不自然に太股を擦り寄せてしまう仕草も全て見られている、本当に、見られているだけ。

「何、アレンは視線だけで感じちゃうんだ、いやらしい子だな」
「ゃだ、見ないでぇ…ッ」
「触って欲しくて仕方ないって顔してる、どこに触って欲しいの?ココ?」
「ぁ、ァ!」

ココ、と言って触れられた場所はそこではなく胸の頂点で。
シャツにまでぷっくりと形を成していた乳首を親指の腹で痛いくらいに押し潰される。
それでもまだ起ち上がる突起を今度は爪先で何度も何度も弾かれ、指で摘ままれ、乳輪の回りを擽られ、シャツ越しのもどかしい刺激にモゾモゾ腰が揺らぐのを止められない。

「ン、ン、ぁ、ゃァ、ぁん…っ」
「おっぱいで感じちゃうなんてとんでもない変態だな、アレン」
「ァッ、んぅ…っ、だって、せんせ、がぁ…ひゃぁぁ…!」

先生がいつもいつもそこを触るから、と抗議しようとした言葉は残念ながら言葉になることなく口から飛び出していった。
薄いシャツ越しにしゃぶりつかれたそこはすぐ唾液まみれになり、うっすらと赤みを増した乳首が透けてしまい更に羞恥を煽った。
舌が尖りを捉えて左右上下にねぶる。
ぢゅっぢゅっと音まで立てて吸い上げられ限界まで伸ばされては、離される。
噛み付かれる痛みさえも快楽として脳が勝手に変換してしまう。
まだ唾液で濡れていなかった方のにもしっかり吸い付く間、濡れに濡れたそこに指を絡ませてコリコリになりすぎた乳首をいじり倒す。

「ぁぁー…ッ、ぁっ、や、そんな、吸っちゃ…ァッ、んっんっ、やぁぁ…!」

男の子なのに、本当はこんなこと駄目なのに、乳首が気持ち良くて仕方ない。
もっともっと、服なんて破り捨てて直に触れて、弄って、噛みついて欲しいのに、これはお仕置きだから望みなんて聞いてもらえない。
僕はほぼ無意識に胸元の橙色の頭を両腕で掻き抱きながら、広げた両足を先生の腰に巻き付け、熱くて熱くて仕方ない股間を押し付けていた。
ああ、こんなことしたらまた先生に叱られる…分かっていても止められないのは、押し付けた先の先生のモノもズボンの上から十分伝わる熱と質量を孕んでいて、それを知ってしまったから。
未だに乳首を吸い荒らしている舌の動きが増せば増すほど腰付きもより激しく大胆になってしまう。
蓄えているものを吐き出しくて、もう一心不乱に腰を振り乱して性器への刺激を貪った。
お互いの下着とジーンズの固い布が焼ききれてしまいそうなほど摩擦する股間、堪らず先生の腰も少し揺れ始めたのが嬉しくてまた熱くなる。






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