1 義務 (笛吹直大) 空を見上げる暇も無いような日常に 求める物があるとすれば 他愛の無い会話と食事時間 それと なんの心配もしなくて良い平和な一日だろうか 時計の針の音や寸分の狂いの無さのように キッチリとした自分は思う どんよりと霧が覆って前方のビルの頂上は見えない 暗い喫茶店の柔らかい椅子に座って 何も言わないような 目で訴えているような そんな物憂げな彼女を見た 無理矢理予定をこじ入れたわりに 時間がゆっくり過ぎる 平和を護るのが義務ならば 俺の平穏は誰が約束してくれるのだろうか 簡単な別れの言葉を聞く前にふと どうしようもない子供のような我侭が脳裏を掠めた それは声に出される事も無く消え失せ 軽い走馬灯と 彼女の涙と 雨の音に流された (1笛吹2跡部3脳噛4服部5切原/6坂田7桂8X9坂本10越前) 逃れられない10のお題より 配布先:創作者さんに50未満のお題 |
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