「すまないね、家まで送らせてさ」

「構いませんよ。勧めたのは私ですからね。これくらいお安い御用です」

「そうかい?そう言ってもらえると助かるねぇ…、助かる…のだけれどさ…」

「どうしました?」

「いや、その…これは一体何処を如何捻ってあっしを押し倒すっていう状況になったのか、酔ったあっしにも判るように教えてくれないかい?」

「いやですね、ホウ統。忘れたのですか?貴方が私を誘ったのですよ?」

「…!!?」

「帰らないで、傍にいて…って。それはもう、据え膳食わねば男の恥です。安心してください、美味しく残さず頂きますから」

「いやいやいやいや…記憶は無いんだよ、酔った者の戯言だよ…って、ひゃあ!?」

「程よく火照った身体に涙目。私の理性をすっ飛ばすのには十分な材料です」

「な、何言ってんだい!お前さんこそ酔っ払って…っちょ、んん!ふぁ…!」

「呑んでも呑まれるな。鉄則ですよ、ホウ統」



翌朝、頭と腰を押さえてフラフラしているホウ統と、気持ち悪いくらいにこやかな諸葛亮がいたという




06.送り狼にご用心







お題BLUE TEARS



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